
グアヤキ年代記 遊動狩人アチェの世界
出版社: 筑摩書房
- パラグアイの森に生きる遊動民グアヤキ。その生と死を鮮やかに描き、「国家に抗する社会」論の原点となった民族誌の傑作。 解説 松村圭一郎
- 1963年、南米パラグアイ。フランスの若き人類学者クラストルは、深い森で遊動生活を送ってきた先住民族グアヤキ(自称アチェ)の調査に赴いた。彼らは白人に圧迫され衰退の道をたどっていたが、出産、通過儀礼、復讐の殺人、食人習慣など、様々な文化を保持していた。クラストルは不合理な事象の数々に時に戸惑いつつも、それらを精緻に観察し、背後にあるグアヤキの論理を鋭い視点で解明していく。暴力ではなく言葉によって自らの権威を証明しなければならない首長など、この調査で得た着想の一部は、後に『国家に抗する社会』として結実する。文学性にも優れた民族誌の傑作。
- 第一章 誕生
第二章 二つの平和条約について
第三章 逆方向に
第四章 大人
第五章 女性たち、蜂蜜、戦争
第六章 殺害
第七章 同性愛者の生と死
第八章 食人種
第九章 終末
議論と批評
訳者あとがき
解説 失われた世界から「人間」を問う(松村圭一郎)
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