学校に行かない子どもの社会史
出版社: 慶應義塾大学出版会
- 行政による不登校生支援が始まった1990年代初頭までの認識や対応の変容を精緻に検証する。
- “学校ぎらい” “登校拒否” “不登校” ──「学校に行かない子ども」という問題は、どのように生まれたのか。そして学校に行かないことへの文部省の認識が、個人の「性格的なもの」から「誰にも起こりうるもの」へと大きく転換していった過程はどのようなものだったのか。多様な人びとの「声」から再構成する。
・行政による不登校生支援が始まった1990年代初頭までの認識や対応の変容を精緻に検証。
・「学校に行かない子ども」への、社会からのまなざしの変遷を探る。
・毎年過去最多を更新し続ける不登校問題を考えるうえで、議論の基礎となる研究。 - 序 章
第Ⅰ部 学校に行かない子どもの問題化と学校外における諸対応――日本児童精神医学会と学校外の学びの場に着目して
第1章 学校に行かない子どもの研究と専門的対応の開始――1960年代を中心に
第2章 教育問題の顕在化と学校外の学びの場の成立――1970年代を中心に
第3章 子どもの人権侵害と新しい教育の希求――1980年代を中心に
第Ⅱ部 学校に行かない子どもに関する認識と対応の変容過程――奥地圭子たちの活動に着目して
第4章 学校に行かない子どもに関する新たな認識の生成――渡辺位と奥地圭子を中心に
第5章 「母親教師」としての奥地圭子――教育雑誌『ひと』における記述に着目して
第6章 学校に行かない子どもの治療をめぐる論争――稲村博と奥地圭子を中心に
第7章 学校に行かない子どもに関する行政の認識と対応の変容――実態調査と有識者会議を中心に
終 章
付 論 学校外の学びの場への通学定期券制度の準用過程――フリースクールと行政の関係性に着目して
年表
謝辞
引用文献
索引