野生の教養 II

野生の教養 II

出版社: 法政大学出版局
著者: 丸川 哲史、岩野 卓司
  • 「野生」と「カオス」を手がかりに、飼いならされない自由でアナーキーな学びをつくりなおす。好評を博した『野生の教養』の第2弾!
  • 「野生」と「カオス」を手がかりに、飼いならされない自由でアナーキーな学びを見つけ出す。明治大学大学院教養デザイン研究科の領域横断的知が結集した企画の第2弾!
  • カオスをおそれず、友にする者だけが世界の次の姿をみるだろう。真の思考とはそんな「反・治安」的技法であり、本書はその技法のための実用書である。
    酒井隆史
    教養は冒険だよ。
    おもわぬ出会いをくりかえし、未知のわたしに変化していく。
    いまここにある秩序紊乱を思考しよう。
    はじまりのアナキズム。
    栗原康
    農耕以前の狩猟採集時代にさかのぼって知を練り直す「野生の教養」。一人一人のうちに気づかれずして存在し、私たちの想像力を働かせる磁場となる「カオス」。秩序化・制度化する前の渾沌とした深淵に潜り込み、飼いならされざる自由でアナーキーな学びを掬いあげる。明治大学大学院教養デザイン研究科の領域横断的知が結晶化した、これからの教養の入門書。
  • はじめに──「一人に一つカオスがある」の意味
    第1部 思想・科学
    カオスと共同性──つながりの基盤となるものについて 【岩野卓司】
    読み継がれるアナーキズム・ユートピア構想──bolo’bolo──「カオス」に調和を見出す 【田中ひかる】
    渾沌と軍隊 【加藤徹】
    カオスを増幅せよ──D・グレーバーの思想とヤブの力 【佐久間寛】
    カオスの路上からケアの空間につなぐ──サンフランシスコ公共図書館の葛藤 【石山徳子】
    科学が進んでいく時代をどう生きるか 【浅賀宏昭】
    過つは人の性、許すは神の心──原子力にカオスはあるのか 【勝田忠広】
    女性患者はすべてを打ち明けない──ブロイアー/フロイト『ヒステリー研究』の中の混沌と破壊 【広沢絵里子】
    不確実な未来と私たちの選択 【森永由紀】
    第2部 歴史・社会
    カウンター・ジハード主義とインターネット・コミュニティ──ノルウェー連続テロ事件とバルカンを結ぶもの 【佐原徹哉】
    カオス・アメリカ・『スター・ウォーズ』 【廣部泉】
    電子メディア時代のスポーツ──ノルベルト・ボルツのメディア美学と公共圏 【釜崎太】
    フランスの教育をめぐる情熱とカオス──私立学校では市民を養成できないのか 【前田更子】
    教養を「語」るために──生活のなかの倫理と科学 【羽根次郎】
    「カオス」を診断する──ドイツ・ヴァイマル共和国における犯罪生物学の実践と「市民的価値観」 【佐藤公紀】
    国境をめぐる煩雑な物語──オーストリアとチェコの境界線歴史点描 【薩摩秀登】
    雲南を巡る銭貨の旅 【西川和孝】
    第3部 文学・芸術
    安吾『白痴』が上演した戦争と廃墟の「道」 【丸川哲史】
    石川啄木の『ローマ字日記』──隠れ蓑の中でのカオス 【池田功】
    カオスと消尽──開高健『日本三文オペラ』をめぐって 【畑中基紀】
    猫石の謎──永井荷風『日和下駄』の描写から 【嶋田直哉】
    混沌の際──芸術の使命 【虎岩直子】
    セペフリーの「空の里」 【山岸智子】
    交錯する価値観──『常陸国風土記』における土地の神への向き合い方 【伊藤剣】
    カオスと神の国──スチェヴィツァ修道院の壁画を読み解く 【瀧口美香】
    ベケットがとらえた孤高の芸術家──ジャック・B・イェイツ頌 【井上善幸】
    特別寄稿
    荒ぶる知と「虎ノ門事件」 【山泉進】
    おわりに──カオスによるつながり 

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