江戸の戯作絵本 2
出版社: 筑摩書房
- いじり倒すのが身上の黄表紙はお上にも一切忖度なし。幕府の改革政治も徹底的に茶化す始末。しかし自らも武士である作者たちは処罰されることに。
- 人を惑わす悪玉が踊り狂い、現役の政治家たちがメッタ斬りにされる。大胆で自由すぎる黄表紙の世界
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江戸中期、商業重視の田沼政治により江戸の町は繁栄し、農村部にも貨幣経済が広まった。しかしその反面賄賂がはびこり、農産物の供給量が減少することに。状況を打開すべく老中についた松平定信は倹約を命じ、風紀を取り締まった。黄表紙作家たちはこれに対抗して政治を徹底的に諷刺。結果、作品は大ベストセラーに。しかし作家たちは罰せられ、その後黄表紙の作風は単に可笑しさを追求したものや、敵討ちなどのストーリー性を持つものに変わっていく。本巻には筆禍事件を招いた『鸚鵡返文武二道』等3作品をはじめ、歌舞伎「三社祭」の悪玉踊りの元ネタ『心学早染草』等、計16作品を収録。
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忖度一切なし!
政治と下のハナシは恰好の茶化しネタ
筆禍事件を招いた発禁作をはじめ16作品を収録 - 悦贔屓蝦夷押領(よろこんぶひいきのえぞおし) 恋川春町作・北尾政美画
文武二道万石通(ぶんぶにどうまんごくとおし) 明誠堂喜三二作・喜多川行麿画
拝寿仁王参(おがみんすにおうさん) 芝全交作・北尾政美画
鸚鵡返文武二道(おうむがえしぶんぶのふたみち)恋川春町作・北尾政美画
奇事中洲話(きじもなかずわ) 山東京伝作・北尾政美画
天下一面鏡梅鉢(てんかいちめんかがみのうめばち) 唐来参和作・栄松斎長喜画
照子浄頗梨(かがみのじょうはり) 山東京伝作画
心学早染草(しんがくはやそめくさ) 山東京伝作・北尾政美画
即席耳学問(そくせきみみがくもん) 市場通笑作・(北尾重政画)
十四傾城腹之内(じゅうしけいせいはらのうち) 芝全交作・(北尾重政画)
敵討義女英(かたきうちぎじょのはなぶさ) 南杣笑楚満人作・歌川豊国画
初登山手習方帖(しょとうざんてならいじょう) 十辺舎一九作画
无筆節用似字尽(むひつせつようにたじつくし) 滝沢馬琴作・(北尾重政画)
?太平記向鉢巻(きゃんたいへいきむこうはちまき) 式亭三馬作・歌川豊国画
稗史億説年代記(くさぞうしこじつけねんだいき) 式亭三馬作画
化物太平記(ばけものたいへいき) 十返舎一九作画