物語主義 太宰治・森敦・村上春樹

物語主義 太宰治・森敦・村上春樹

出版社: 七月社
著者: 中村 三春
  • 何らかの本質が先立ち、それを語るために物語が作られるのではない。物語がそれにふさわしい本質を要請するという〈物語主義〉を標榜し、いかなる原理主義も排して、芥川龍之介・太宰治・森敦・村上春樹・小川洋子らを論じる。
  • 物語は自らを生成すると同時に媒介される。
    虚構・小説・映画を理論的に横断し、メタフィクション、語りの変異、逸脱するメタファーなど、テクストに入り込む雑音の軋みに耳を澄ませる。
    芥川龍之介・太宰治・森敦・村上春樹・小川洋子らの小説やその映画化作品を主に論じる。
  • はしがき
    Ⅰ 物語と虚構の文芸学
    第1章 虚構論と物語論──イーグルトンとウォルトンの虚構理論から
    第2章 作者の理論・素描──加藤典洋・竹田青嗣のテクスト理論から
    第3章 テクスト・断片・コンテクスト──三浦玲一のグローバル文化理論から
    第4章 雑音調〈例外状態〉の文芸学──竹内敏雄の現代美学理論から
    Ⅱ 小説と映画の物語
    第1章 蝕まれるべき友情──小説構造から見た『白樺』派の小説
    第2章 芥川龍之介のメタフィクション
    第3章 太宰治におけるテクスト様式の成立──初期小説の研究
    第4章 太宰治と複合的小説構造──作品集『女の決闘』
    第5章 太宰治『斜陽』とチェーホフ『桜の園』──ファルスのオリジナリティ
    第6章 森敦「月山」の小説と映画──〈境界〉などというものはない
    第7章 物語の変容──森敦『われ逝くもののごとく』と「ハーメルンの笛吹き男」
    第8章 村上春樹の小説と〈メタファー〉──『海辺のカフカ』と『騎士団長殺し』
    第9章 村上春樹の小説における戦争──『ねじまき鳥クロニクル』『アフターダーク』『騎士団長殺し』と映画『ドライブ・マイ・カー』
    第10章 現実性の境界事象──小川洋子『原稿零枚日記』

    あとがき
    初出一覧
    索引
    主要著作年譜

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