実効的救済の現状と課題

実効的救済の現状と課題

出版社: 法政大学出版局
著者: 金子 匡良、西田 幸介
  • 実効的救済が何を意味し、どんな課題を抱えているか。個人の救済がいかにあるべきか。これに現代社会の病理に触れながら取り組む。
  • 実効的救済が何を意味し、どのような課題を抱えているのか。個人を救済することがいかにあるべきか。現代社会の病理に触れつつ、この問題に法学研究者が取り組む。
  • いま、救済のあり方が問われている。実効的救済が何を意味し、どのような課題を抱えているのか。個人を救済することがいかにあるべきか。現代社会の病理に触れながら、この問題に、法哲学・憲法学・行政法学・民法学・民事手続法学の研究者が取り組む。実効的救済の観点から、伝統的な救済概念を洗い直して、救済のいまを描きつつ、法律学の新たな地平を開く。
  • はしがき
    第1章 実効的救済の意義と観点 【西田幸介】
    はじめに
    1 「司法的救済の道」の確保と実効的救済
    2 救済と紛争解決
    (1) 救済の意義
    (2) 紛争解決による救済
    (3) 救済の個別性と柔軟性
    (4) 非司法的救済の必要性
    3 実効的救済の観点
    (1) 権利利益そのものの回復への近接
    (2) 被害者の満足
    (3) 救済の適時化
    (4) 機会保障
    おわりに
    第2章 実効的救済か、適応的利益か──進化心理学から見る「よいこと」 【内藤 淳】
    はじめに
    1 なぜ人は「人を助ける」のか──進化心理学による説明
    (1) 血縁者支援
    (2) (直接)互恵
    (3) 間接互恵における「評判の利益」
    (4) 利他行動を生み出す内面的メカニズム
    2 理性に基づく実効的「人助け」──効果的利他主義
    (1) 感情作用の遠近
    (2) 「遠い人」への感情の作動
    (3) 効果的利他主義における理性的利他行動
    (4) その実効性
    3 効果的利他主義は自己利益につながるか
    (1) 効果的利他主義と適応的利益
    (2) 効果的利他主義と血縁者支援・互恵
    (3) 効果的利他主義と「評判の利益」
    (4) 不適応な効果的利他主義
    4 実効的救済か、適応的利益か
    5 「人を助ける」ことと「道徳的に生きる」こと
    6 「道徳的に生きる」根拠
    (1) 「Why be moral?問題」
    (2) 道徳と自己利益の調和──ヘアの主張
    (3) 「道徳的に生きる」ことと自己利益と効果的利他主義
    7 「道徳的に生きる」か、自己利益か
    (1) 進化心理学によるヘアの主張の裏づけ
    (2) 利益的な利他行動のやり方
    (3) 「人を助ける」根拠と「とるべき」利他行動
    おわりに
    第3章 実効的救済の体系──英米法の救済法論を素材として 【金子匡良】
    はじめに
    1 英米法における救済法論
    (1) 歴史的経緯
    (2) 救済法の内容と分類
    2 英米法的救済法論の日本への導入──その意義と限界
    3 ザクシェフスキの救済法論
    4 実効的救済とは何か
    おわりに
    第4章 民事訴訟手続と実効的救済に関する少考──広島高決令和2・11・30判時2505号28頁を素材として 【大江 毅】
    はじめに
    1 広島高決令和2・11・30日判時2505号28頁
    (1) 事案の概要
    (2) 決定の要旨
    2 広島高決令和2・11・30日判時2505号28頁の分析
    (1) 広島高決令和2・11・30日判時2505号28頁の意義
    (2) 公務秘密文書(民訴法220条4号ロ)該当性の判断枠組み
    3 遺族への情報提供と文書提出命令──実効的救済の観点から──
    おわりに
    第5章 懲罰的損害賠償金の基金分配に関する一考察──アメリカ法を素材にして 【吉村顕真】
    はじめに
    (1) 問題の所在
    (2) 課題の設定
    1 分配賠償法の概況
    (1) 一般財源等への分配
    (2) 特定基金への分配
    2 分配賠償法の正当化根拠
    (1) 論理的根拠
    (2) 法政策的根拠
    (3) まとめ
    3 過大な罰金条項との抵触
    (1) 問題の前提
    (2) 裁判所の合憲性判断
    (3) 若干の考察
    おわりに
    (1) 本稿の総括
    (2) 今後の課題
    第6章 理由の提示と実効的救済 【嘉藤 亮】
    はじめに
    1 行政手続と理由の提示の変遷
    (1) 理由の提示の趣旨 行政手続法制定前
    (2) 理由の提示の程度と判例法理
    (3) 行政手続法における理由の提示と平成23年最判
    2 手続的違法としての不十分な理由の提示と実体的違法との関係
      ──裁判例
    (1) 実体的違法と手続的違法双方を認定したもの
    (2) 実体的違法はないが手続的違法があると認定したもの
    (3) 手続的違法のみを認定したもの
    3 手続的違法と実効的救済
    (1) 紛争解決と争訟手段
    (2) 手続的違法と争訟手段
    (3) 行政過程と裁判過程の連続性
    (4) 手続的違法と一部判決
    (5) 裁判所の審理義務
    おわりに
    第7章 「望まない妊娠」による女性の負担とその実効的救済 【小谷昌子】
    はじめに
    1 望まない妊娠が女性にもたらす負担とその救済の必要
    (1) 経済的負担
    (2) 身体的負担
    (3) 精神的(心理的)負担
    (4) 救済の必要はあるのか
    2 いかなる救済がありうるか
    (1) 法的救済の実効性
    (2) 肉体的負担の救済
    (3) 精神的負担の救済
    3 なにが実効的救済となりうるか
    (1) 女性にとって重要なことはなにか
    (2) 男性との関係
    (3) 実効的救済のための課題
    おわりに

    第8章 学校での権利侵害における実効的救済──権利侵害の事後対応を中心として 【村元宏行】
    はじめに
    1 学校での権利侵害に対しての実効的救済と現行法制度
    (1) 学習者を権利主体と捉えた規定の欠如
    (2) 小括
    2 司法救済について
    (1) 学校事故における司法救済
    (2) 教育活動の萎縮
    (3) 個人責任の追求について
    (4) 新たな争点:事後対応
    3 訴訟によらない権利救済の実態
    (1) 第三者調査機関等による調査について
    (2) いわゆる人権オンブズパーソン
    4 実効的救済のための課題
    (1) 調査機関の一元化への課題
    (2) 二次被害防止・学習環境保障のための不登校・就学校変更
    おわりに
    第9章 食品安全分野における予防的事前規制の必要性 【土屋仁美】
    はじめに
    1 食品安全分野における事後的救済の不十分性
    (1) 食品による健康被害の概要
    (2) 製造物責任法に基づく事後的救済の困難さ
    2 日本の食品安全分野における事前規制の特徴
    (1) 日本の食品安全法制の発展の経緯
    (2) 食品安全分野におけるリスク分析の導入と予防的措置の必要性
    3 科学技術の発展と予防的な行政対応の必要性
    (1) イノベーションに伴う健康リスクへの対応
    (2) 危険からリスク、不確実性への対応
    4 予防原則に基づく科学的不確実性への対応
    (1) 科学的不確実性に対する慎重な考慮の必要性
    (2) リスク管理段階における民主的意思決定の促進
    (3) 予防的措置の司法審査における課題
    おわりに
    第10章 多頭飼育崩壊における実効的救済の検討 【田代正彦】
    はじめに
    1 事後的対応策
    (1) 多頭飼育崩壊と司法的救済
    (2) 多頭飼育崩壊と行政的救済
    (3) 小括
    2 事前的対応策
    (1) 法律による事前対応
    (2) 条例による事前対応
    (3) 小括
    おわりに

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