原石鼎の百句

原石鼎の百句

出版社: ふらんす堂
著者: 原 朝子
  • ◆百句シリーズに原石鼎が登場!
    瞳海の美学
    石鼎の後半生は闘病苦の中にあった。だが、その作品の読後には感情の胞衣のような残滓が全く残らない。苦しみの渦中にあって何故これほど高い美意識を誇る句を詠み続けることができたのか、私には奇跡に思えてならない。
    ここには、虚子の教えからも写生の束縛からも完全に解放された自在さがある。軽みの境地に遊ぶ石鼎がいる。森羅万象とその感情を共有する真我の翼は五感に触れくるものを温かく包み込んでいる。そして、真我の自在性は時空を超越した幻想的な作品をも生み出した。
    石鼎の瞳の奥に広がっていた海は、底知れぬ深さをたたえた茫洋とした大海である。この瞳海は、眺める人によってさまざまな輝きを見せるにちがいない。私が眺め得た海の相はほんの一端にすぎないのである。
    (解説より)

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