
ジェンダーレンズで見る刑事法
出版社: 信山社出版
- コメ政策の問題点を衝く。「強い農業を作る政策」で食料の安定供給へ。戦後農政史を振り返り、コメ政策、農地政策のあるべき姿を説く
- コメ政策の問題点を衝く。「強い農業を作る政策」で食料の安定供給へ。戦後農政史を振り返り、コメ政策、農地政策のあるべき姿を説く
- ◆刑事法や刑事司法に潜むバイアスが見える ― 女性の生きづらさや差別を解消し,公正な社会の実現することを目指す◆
社会構造の歪みや伝統的性別役割、慣習や立法・解釈・適用等、刑事法や刑事司法に潜むバイアス。リアルなジェンダー差別社会を、ジェンダーレンズの精度を上げて見てみよう。刑事法の世界が、これまでと違った、より女性のリアリティに近い視点から、「何が問題か」、身近に見えてくる。 - 『ジェンダーレンズで見る刑事法』
後藤弘子・島岡まな・岡上雅美 著
【目 次】
●1 プロローグ
1 ある日の裁判所の風景
2 ジェンダーレンズで見る必要性
3 家父長制とジェンダー
4 男女平等と法
5 この本で学ぶこと
◆第1部 刑事法全体をジェンダーレンズで見なおす
●2 犯罪を見なおす
1 「女性に対する暴力」への刑法の対応
2 刑事法の概要
3 刑法典(立法)に潜むジェンダー・バイアス
4 刑法の解釈に潜むジェンダー・バイアス
5 なぜ,刑法においては,被害者の立場に立ったジェンダー意識が遅れているのか
●3 刑事裁判を見なおす
1 トラブルの法的対応
2 国内法における刑事手続の特徴
3 刑事手続の概略
4 日本の刑事手続の特徴と問題点
5 ジェンダーレンズから見た刑事手続の問題点
6 刑事手続と裁判員裁判
7 有罪判決の結果:刑罰制度
8 刑罰の合理化:刑罰目的
9 日本の犯罪の現状―安全の国ニッポン?
10 「犯罪処理」の仕方
11 ジェンダーレンズから見た犯罪者処遇:女性犯罪と男性犯罪
●4 犯罪被害をみなおす
1 犯罪被害者とは
2 犯罪被害者として承認されることの困難
3 犯罪被害者の多様性
4 被害者が越えなければならないハードル
5 犯罪被害者に用意されている制度
6 犯罪被害からの回復ために
◆第2部 個別問題をジェンダーレンズで見なおす
●5 セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツ
1 堕胎罪のジェンダー差別性
2 正当化要件を定める母体保護法
3 性と生殖の権利―歴史的展開
4 死体遺棄罪の処罰をめぐる問題
5 ジェンダーレンズで見た生殖をめぐる日本の問題と対処方法―SRHRを守るために
●6 性犯罪
1 これまでの状況
2 不同意性交等罪への改正
3 裁判(司法)における性犯罪の処罰
4 刑法で処罰が難しい性犯罪―性犯罪規定に被害者視点を
5 冤罪防止のために何ができるか
6 性犯罪根絶のために
7 性暴力のないジェンダー平等社会へ
●7 性の商品化(〈児童〉ポルノ・売春・JKビジネス等)
1 ポルノ問題―刑法のわいせつ物規制は適切か
2 売春・児童買春に対する刑事法の対応
●8 ドメスティック・バイオレンス
1 ドメスティック・バイオレンスの真の問題性
2 DV問題の解決は難しい
3 DV防止法
4 DV防止法を実効性あるものにするために―DVはそれだけにとどまらない
●9 児童虐待
1 児童虐待の現状
2 虐待を受けた子どもの被害
3 暴力の連鎖
4 児童虐待防止法と刑法
5 児童虐待の刑法的対応
6 児童虐待防止をより実効的なものにするために―児童虐待は特殊な人の犯罪か
●10 ストーカー犯罪
1 ストーカー犯罪対策としての刑事法
2 ストーカー犯罪に対する刑事規制の難しさ
3 ストーカー規制法
4 ストーカー問題の望ましい解決とは?
●11 薬物犯罪
1 薬物犯罪の種類
2 日本における薬物政策
3 女性と薬物使用
●12 世界の中の「女性に対する暴力」
1 2005(平成17)年刑法一部改正
2 人身取引対策の国際基準
3 人身売買罪の見えにくさ
4 結婚破綻に伴う子の連れ去り
5 「女性に対する暴力」への国際的取り組み
6 国際基準としてのイスタンブール条約
7 乗り越えられるべき「文化的葛藤」
●エピローグ―困っているあなたへのメッセージ