
ウィーン万国博覧会とアイヌ・コレクション
出版社: 中西出版
- 明治政府が国の威信をかけて初めて公式に参加した1873年のウィーン万国博覧会。日本の精巧な美術工芸品を中心に地域の物産を出品し、ここから国際舞台に躍り出ていきます。その中で、アイヌ・コレクションは北海道の物産として開拓使や博覧会事務局により収集・選定・出品されました。このたび、国立アイヌ民族博物館開館5周年を迎えた第10回特別展示「ウィーン万国博覧会とアイヌ・コレクション」にて、はじめての海外資料が展示されます。約150年ぶりに北海道に戻ってくるドイツ・ベルリンの海外コレクションの図版、その他、貴重な図版資料約220点と同時代に北海道をはじめ日本各地で収集された、我が国の博物館づくりに貢献した様々な資料も掲載。黎明期における日本の博物館のあり方と、その中におけるアイヌ文化の位置も紹介した解説9本とコラム8本も掲載。日本の近代化と国際化の象徴であるウィーン万国博覧会を起点としたアイヌ・コレクションの形成とその時代背景を紹介します。
- ごあいさつ
展覧会に寄せて
凡例
序論 ウィーン万国博覧会からはじまるアイヌ・コレクションの新たな歴史の展開
第1章 ウィーン万国博覧会
ウィーン万国博覧会に出品された美術工芸品
ウィーン万国博覧会に携わった人たち
コラム1 ウィーン万国博覧会に出品した工芸品と「伝統的工芸品」
コラム2 アイヌの中の輪島塗
海を渡ったアイヌ・コレクション
コラム3 ベルリン国立博物館群民族学博物館所蔵のアイヌ・コレクション
コラム4 ドイツにおけるアイヌ・コレクション
コラム5 1873年ー日本、ヨーロッパへ渡るー
第2章 ウィーン万国博覧会の系譜
日本における博覧会のはじまり
第3章 ウィーン万国博覧会の前夜
開拓使が収集したアイヌ・コレクション
コラム6 開拓使のアイヌコ・レクションにみるアイヌ民族の名前
コラム7 民具資料にみられるアイヌ語と地域
東京国立博物館所蔵のアイヌ民族資料
コラム8 奈良国立博物館所蔵のアイヌ資料
第4章 ウィーン万国博覧会のあと
樺太アイヌの「宝物」と「近代」
樺太千島交換条約と東京につくられた開拓使の博物場
出品リスト資料一覧