マルクス主義の主要潮流
出版社: 同時代社
- 思想界に衝撃を与えた傑作、本邦初訳! マルクス主義研究の金字塔! マルクス主義と他の思想との交渉・衝突の歴史を概括する。
- 思想界に衝撃を与えた傑作、本邦初訳! 哲学者レシェク・コワコフスキによるマルクス主義研究の金字塔! マルクス主義と他の思想との交渉・衝突の歴史を概括する。〔第1巻 創設者〕〔第2巻 黄金時代〕〔第3巻 崩壊〕…
- 哲学者レシェク・コワコフスキによるマルクス主義研究の金字塔!
〔第1巻 創設者〕〔第2巻 黄金時代〕〔第3巻 崩壊〕を全一冊に。
思想界に衝撃を与えた傑作、本邦初訳!
〈本書は、マルクス主義の歴史であるが、マルクス主義と他の思想との交渉・衝突の歴史であり、その意味でここ二世紀余の人文思想の概括である。そういうものとして、コワコフスキはこの思想の歴史を解説した。その気概を軽く受け止めてはなるまい。――訳者〉 - 訳者まえがき
新序文
一九八一年版への序文
第1巻 創設者
イントロダクション
第1章 弁証法の起源
1 人間存在の偶然性/2 プロティノスの救済論/3 プロティノスとキリスト教プラトン主義 創造の根拠の探求/4 エリウゲナとキリスト教神統記/5 エックハルトと神格化の弁証法 /6 ニコラス・クザーヌス 絶対存在の矛盾/7 ベーメと実在の二重性/8 アンゲルス・シレジウスとフェヌロン 消滅に由る救済/9 啓蒙主義. 自然主義の図式の下での人間の実現/10 ルソーとヒューム. 自然との調和信念の破壊/11 カント 人間存在の二元性とその矯正/12 フィヒテと精神の自己征服/13 ヘーゲル 絶対へ向かう意識の進歩/14 ヘーゲル. 歴史の目標としての自由
第2章 ヘーゲル左派
1 へーゲル主義の解体/2 ダーフィト・シュトラウスと宗教の批判/3 チェシコフスキと行動の哲学/4 ブルーノ・バウアーと自己意識の否定/5 アーノルド・ルーゲ へ―ゲル左派の急進化
第3章 最初期のマルクスの思想
1 青年時代と研究/2 ヘーゲル主義者によって理解されたヘレニズム哲学/3 マルクスのエピクロス研究 自由と自己意識
第4章 ヘスとフォイエルバッハ
1 ヘス 行動の哲学/2 ヘス 革命と自由/3 フォイルバッハと宗教的疎外/4 フォイルバッハの第二の段階 宗教的謬見の源泉
第5章 マルクスの初期の政治および哲学の著作
1 国家と知的自由/2 ヘーゲル批判 国家、社会、個人/3 社会の解放という理念/4 プロレタリアートの発見
第6章 パリ草稿 疎外労働の理論 青年エンゲルス
1 ヘーゲル批判 人間性の基礎としての労働/2 知識の社会的実践的性格/3 労働の疎外 人間の非人間化/4 フォイエルバッハ批判/5 エンゲルスの初期の著作
第7章 聖家族
1 歴史の動向としての共産主義 プロレタリアートの階級意識/2 進歩と大衆/3 必要の世界/4 唯物論の伝統
第8章 ドイツ・イデオロギー
1 イデオロギーの概念/2 社会的存在と意識/3 労働の分割とその廃止 /4 個性と自由/5 シュティルナーと自己中心主義の哲学/6 シュティルナー批判 個人と共同社会/7 疎外と労働の分割/8 人間の解放と階級闘争/9 虚偽意識論の認識論的意味
第9章 要 約
第10章 マルクス的社会主義と比較した一九世紀前半の社会主義者の理念
1 社会主義理念の出現/2 バブーフ主義/3 サン・シモン主義/4 オウエン/5 フーリエ/6 プルードン/7 ヴァイトリング/8 カベー/9 ブランキ/10 ブラン/11 マルクス主義と「ユートピア社会主義」/12 マルクスのプルードン批判/13 共産党宣言
第11章 一八四七年以後のマルクスとエンゲルスの著作と闘争
1 一八五〇年代の発展/2 ラッサール/3 第一インターナショナル バクーニン
第12章 非人間化された世界としての資本主義 搾取の本質
1 『資本論』とマルクスの初期著作との関連についての論争/2 古典派経済学の伝統と価値論/3 価値の二重的形態と労働の二重的性格/4 商品フェティシズム 商品としての労働力 /5 労働の疎外とその生産物からの疎外/6 社会化の過程の疎外/7 労働者階級の貧困化/8 資本主義の本性と歴史的使命/9 剰余価値の配分
第13章 資本の矛盾とその廃止 分析と行動の統一
1 低下する利潤率と資本主義の不可避的崩壊/2 プロレタリアートの経済的および政治的闘争/3 社会主義の本質 その二つの段階/4 資本の弁証法 全体と部分、具体と抽象/5 資本の弁証法 意識と歴史過程/6 マルクスの価値論および搾取論についてのコメント
第14章 歴史の過程の原動力
1 生産力、生産関係、上部構造/2 社会的存在と意識/3 歴史の進歩とその矛盾/4 社会関係の一元的解釈/5 階級の概念/6 階級の起源/7 国家の機能とその廃止/8 史的唯物論にかんする注釈
第15章 自然の弁証法
1 科学主義的アプローチ /2 唯物論と観念論. 哲学のたそがれ/3 空間と時間/4 自然の可変性/5 変化の多様な形態/6 因果関係と機会/7 自然と思想における弁証法/8 量と質/9 世界における矛盾/10 否定の否定/11 不可知論の批判/12 経験と理論/13 知識の相対性/14 真理の基準としての実践 /15 宗教の源泉
第16章 要約と哲学的注釈
1 マルクスの哲学とエンゲルスの哲学/2 マルクス主義における三つのモチーフ/3 レーニン主義の源泉としてのマルクス主義
第2巻 黄金時代
第1章 マルクス主義と第2インターナショナル
第2章 ドイツの正統派:カール・カウツキ―
1 生涯と著作/2 自然と社会/3 意識と社会の発展/4 革命と社会主義/5 レーニン主義批判/6 カウツキ―の哲学の矛盾/7 メ―リングにかんするノート
第3章 ローザ・ルクセンブルクと革命左翼
1 伝記的情報/2 蓄積論と資本主義の不可避的崩壊の理論/3 改良と革命/4 プロレタリアートの意識と政治組織の形態/5 民族の問題
第4章 ベルンシュタインと修正主義
1 修正主義の概念/2 伝記的情報/3 歴史の法則と弁証法/4 革命と「究極の目標」/5 修正主義の意味
第5章 ジャン・ジョレス:救済論としてのマルクス主義
1 調停者としてのジョレス/2 伝記の概要/3 普遍的統一の形而上学/4 歴史を方向づける力/5 社会主義と共和国/6 ジョレスのマルクス主義
第6章 ポール・ラファルグ:快楽主義的マルクス主義
第7章 ジョルジュ・ソレル:ヤンセン主義的マルクス主義
1 ソレルの位置/2 概略的伝記/3 合理主義対歴史 ユートピアと神話 啓蒙の批判/4 「再生」(‘Ricorsi’) 階級の分離と文化の断絶/5 道徳革命と歴史の必然性/6 マルクス主義、無政府主義、ファシズム
第8章 アントニオ・ラブリオーラ:開かれた正統主義の試み
1 ラブリオーラのスタイル/2 伝記的ノート/3 初期の著作/4 歴史哲学
第9章 ルドヴィク・クシヴィツキ:社会学の道具としてのマルクス主義
1 伝記的ノート/2 生物学的社会理論の批判/3 社会主義の展望/4 精神と生産 伝統と変革
第10章 カジミエシュ・ケレス-クラウス :ポーランド型の正統派
第11章 スタニスワフ・ブジョゾフスキ: 主観的歴史主義としてのマルクス主義
1 伝記的ノート/2 哲学の発展/3 労働の哲学/4 社会主義、プロレタリアートそして民族/5 ブジョゾフスキのマルクス主義
第12章 オーストリア・マルクス主義者、マルクス主義運動におけるカント主義者 倫理的社会主義
1 オーストリア・マルクス主義の概念/2 カント主義の復活/3 倫理的社会主義/4 マルクス主義におけるカント主義/5 オーストリア・マルクス主義者:伝記的情報/6 アドラー:社会科学の超越論的基礎/7 アドラーの唯物論および弁証法の批判/8 アドラー:意識と社会的存在/9 存在と当為/10 国家、民主主義、そして独裁/11 宗教の未来/12 バウアー;民族の理論/13 ヒルファーディング;価値論の論争/14 ヒルファーディング:帝国主義の理論
第13章 ロシア・マルクス主義の始まり
1 ニコライ一世治下の知識人の運動/2 ゲルツェン/3 チェルヌイシェフスキー/4 ポピュリズムとマルクス主義の初めての受容
第14章 プレハーノフとマルクス主義の成文化
1 ロシアにおける正統派マルクス主義の起源/2 弁証法的および史的唯物論/3 マルクス主義美学/4 修正主義に反対する闘争/5 レーニン主義との衝突
第15章 ボルシェビズム生起前のロシアのマルクス主義
1 レーニン: 初期のジャーナリスティックな著作/2 ストルーヴェと「合法マルクス主義」/3 一八九五年から一九〇一年のレーニンの論争
第16章 レーニン主義の台頭
1 レーニン主義にかんする論争/2 党と労働者の運動 意識と自発性/3 民族の問題/4 民主主義革命におけるプロレタリアートとブルジョアジー トロツキーと「永続革命」
第17章 ボルシェビキ運動の哲学と政治
1 1905年革命時の分派闘争/2 ロシアの新しい知的動向/3 経験批判論/4 ボグダーノフとロシアの経験批判論 /5 プロレタリアートの哲学/6 「建神主義者」 /7 哲学へのレーニンの脱線/8 レーニンと宗教/9 レーニンの弁証法のノート
第18章 レーニン主義の運命:国家の理論から国家のイデオロギーへ
1 ボルシェビキと戦争/2 一九一七年の革命/3 社会主義経済の開始/4 プロレタリアートの独裁と党の独裁/5 帝国主義と革命の理論/6 社会主義とプロレタリアートの独裁/7 トロツキーの独裁論/8 全体主義のイデオロジストとしてのレーニン/9 マルトフのボルシェビキ・イデオロギー論/10 論争家としてのレーニン、レーニンの才能
第3巻 崩壊
第1章 ソビエト・マルクス主義の第一段階 スターリン主義の始まり
1 スターリン主義とは何であったか/2 スターリン主義の諸段階/3 スターリンの初期の生涯と権力の掌握/4 一国社会主義/5 ブハーリンとネップのイデオロギー 一九二〇年代の経済論争
第2章 一九二〇年代におけるソビエト・マルクス主義の論争
1 知的・政治的風土/2 哲学者としてのブハーリン/3 哲学論争 デボーリン対機械論者
第3章 ソビエト国家のイデオロギーとしてのマルクス主義
1 大粛清のイデオロギー的意味/2 スターリンによるマルクス主義の成文化/3 コミンテルンと国際共産主義のイデオロギー的転換
第4章 第二次世界大戦後のマルクス・レーニン主義への結晶化
1 戦時下の幕間劇/2 新たなイデオロギー攻勢/3 一九四七年の哲学論争/4 経済論争/5 物理学と宇宙論におけるマルクス・レーニン主義/6 マルクス・レーニン主義の遺伝学/7 ソビエト科学への全般的影響/8 スターリンと言語学/9 スターリンのソビエト経済論/10 スターリン晩年期のソビエト文化の全般的特質/11 弁証法的唯物論の認識上の位置/12 スターリン主義の起源とその意味 「新しい階級」の問題/13 スターリン主義の最末期におけるヨーロッパ・マルクス主義
第5章 トロツキー
1 亡命の月日/2 トロツキーのソビエト体制、官僚制および「テルミドール」の分析/3 ボルシェビズムとスターリン主義 ソビエト民主主義の理念/4 ソビエトの経済政策および外交政策の批判/5 ファシズム、民主主義、そして戦争/6 結論
第6章 アントニオ・グラムシ:共産主義的修正主義
1 生涯と作品/2 歴史の自己充足性 歴史相対主義/3 「経済主義」の批判 予知と意志/4 唯物論の批判/5 知識人と階級闘争 ヘゲモニーの概念/6 組織と大衆運動 将来の社会/7 まとめ
第7章 ジェルジュ・ルカーチ:ドグマに奉仕する理性
1 生涯と知的発展 初期の著作/2 全体と部分 経験論の批判/3 歴史の主体と客体 理論と実践 存在と当為 新カント主義および進化論の批判/4 「自然の弁証法」と反映論の批判 物象化の概念/5 階級意識と組織/6 非合理主義の批判/7 美学の概念としての全体、媒介、そして模倣/8 リアリズム、社会主義リアリズム、そしてアヴァン・ギャルド/9 マルクス主義神話の提示 注釈/10 スターリン主義者としてのルカーチ そのスターリン主義批判
第8章 カール・コルシュ
1 伝記的資料/2 理論と実践 運動とイデオロギー 歴史相対主義/3 マルクス主義の三つの段階/4 カウツキ―批判/5 レーニン主義批判/6 マルクス主義の新しい定義
第9章 リュシアン・ゴルドマン
1 生涯と著作/2 発生的構造主義 世界観、そして階級意識/3 悲劇的世界観/4 ゴルドマンとルカーチ 発生的構造主義への注解
第10章 フランクフルト学派と「批判理論」
1 沿革的伝記的ノート/2 批判理論の原理/3 否定の弁証法/4 実存主義的「真正性論」の批判/5 「啓蒙」の批判/6 エーリッヒ・フロム/7 批判理論(続) ユルゲン・ハーバーマス/8 結論
第11章 ヘルベルト・マルクーゼ 新左翼の全体主義的ユートピアとしてのマルクス主義
1 ヘーゲルおよびマルクス対実証主義/2 同時代文明の批判/3 「一次元的人間」/4 自由に反対する革命/5 論評
第12章 エルンスト・ブロッホ 未来の霊知としてのマルクス主義
1 生涯と作品/2 基本的な理念/3 大小の白昼夢/4 「具体的なユートピア」としてのマルクス主義/5 反ユートピアとしての死 神はいまだ存在しない、だが存在するだろう/6 物質と唯物論/7 自然法/8 ブロッホの政治信条/9 結論と批評
第13章 スターリン死後のマルクス主義の展開
1 非スターリン化/2 東ヨーロッパの修正主義/3 ユーゴスラビア修正主義/4 フランスの修正主義と正統派/5 マルクス主義と「新左翼」/6 毛沢東の小農民的マルクス主義
結語
新結語
索引