ラッセル教育の哲学と実践の探求

ラッセル教育の哲学と実践の探求

出版社: 梓書院
著者: 中野 桂子
  • 混迷する現代教育の指針となる
    バートランド・ラッセルの哲学を解きほぐす
    論理学・数学基礎論の金字塔と評される『プリンキピア・マテマティカ』(師・ホワイトヘッドと共著)を発表、ヴィトゲンシュタインの師にして分析哲学の発展に寄与したバートランド・ラッセル(1872-1970)。平和運動家としても有名であるが、その教育者としての思想はほとんど知られていない。本書はラッセルの「人間とその社会をいかにして善いものにするか」という哲学的探究を教育という面から照らし、新たなラッセル像、および現代教育がめざすべきものを浮かび上がらせる試みである。
    バートランド・ラッセル Bertrand Russell(1872-1970)
    イギリスに生まれる。ケンブリッジ大学にて数学・哲学を学んだ。1910~1913年に師であるホワイトヘッドとともに『プリンキピア・マテマティカ(全3巻)』を著し、記号論理学・数学基礎論に貢献する。また、これら論理学の成果を取り入れ、存在論・認識論に適用、分析哲学の発展に寄与した。同じく分析哲学の礎を築いたとされるG・Eムーアは友人であり、ヴィトゲンシュタインは弟子にあたる。哲学的分野の功績により、1950年にノーベル文学賞を受賞。平和活動家としても広範な活動を展開し、特にアインシュタインと連名で発表したラッセル=アインシュタイン宣言は世界的に大きな反響を呼んだ。これは核戦争廃絶の訴えであり、その後も一貫して反戦平和の発言を続ける。子どもの幸福をもっとも重要だと考えた教育者A・Sニールとともに教育の実践について語り合ったラッセルは、生涯をかけて知の探究と人類の平和をもたらす運動に情熱を注ぎ続けた。その著作は膨大であり、代表的なものに『教育と社会秩序』『意味と真理の探究』『西洋哲学史』『倫理と政治における人間社会』などがある。

  • 一章 個人の形成
       一 個人
       二 非個人的自己拡大
       三 個人の形成
    二章 知的想像力
       一 感情と知性の架橋
       二 科学と形而上学と哲学
       三 想像力の極致
    三章 子ども
       一 創造する力
       二 自由
       三 力への願望
       四 空想のあそび
    四章 学校
       一 教育の理念
       二 学園の開設
       三 自然の学園
       四 寮の生活
       五 学びの自由
    結語
    後記
    索引(人名)

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