
経験の息吹 異邦の哲学者
出版社: 春風社
- 「日本」「東洋」といった定められた土地に住まう思考ではなく、どこかよくわからない場所から思考するものとしての西田の哲学を根底から問い直す。
- はじめに
序 論 東でも西でもなく
はじめに
第I部 西田幾多郎の基本概念――「純粋経験」・「自覚」・「場所」・「絶対無」
第一章 異邦の経験と「純粋経験」――超越論的経験論としての『善の研究』
第一節 西田とジェイムズの共通点と差異
第二節 『善の研究』における現在
本章の結論
第二章 「自覚」
はじめに
第一節 「自覚」概念の内実
第二節 「自覚」と当為、真理の独立性
第三節 「自覚」における直観と時間
第四節 自覚における反省と空間
本章の結論
第三章 感覚する現在――『自覚』におけるヘルマン・コーヘン受容をめぐって
はじめに
第一節 『自覚』におけるヘルマン・コーヘンの受容
第二節 「自覚」における感覚
本章の結論
第四章 述語とパースペクティヴ――『意識の問題』における場所と衝動
はじめに
第一節 『意識の問題』――場としての意識とパースペクティヴ
第二節 述語としての「於いて」
第三節 述語的パースペクティヴィズム
本章の結論
第五章 絶対無の場所、ケルベロス的「もの」――西田幾多郎『働くものから見るものへ』をめぐって
はじめに
第一節 田辺元と「絶対無」
第二節 場所の基本カテゴリー
第三節 ケルベロス的「もの」
第II部 『無の自覚的限定』
第六章 事実の形而上学、双生の「こと」――西田幾多郎『無の自覚的限定』と大森荘蔵
はじめに
第一節 静態的「こと」――大森荘蔵の場合
第二節 動態的「こと」――西田幾多郎の場合
結論
第七章 すれちがいと感覚の真理
第一節 すれちがいと他者の深淵
第二節 すれちがいと感覚の真理
第III部 後期西田幾多郎と京都学派への批判と考察
第八章 獣道を散歩する―日本哲学における獣の位置づけをめぐって
はじめに
第一節 大いなる分割と獣のアナロギア
第二節 日本哲学における獣の位置づけ
暫定的な結論
第九章 猫と歴史的世界 あるいはストレンジャーのポイエシス――アンリ・マルディネから西田幾多郎を読み直す
はじめに
第一節 アンリ・マルディネのヘーゲル解釈について
第二節 後期西田幾多郎の「不正スタート」
結論にかえて――ストレンジャーのポイエシス
結論
あとがき
人名索引