
道をむすぶ 時をたがやす
出版社: 春風社
- 「キリスト教徒になること」と「キリスト教徒として生きること」
キリスト教信仰と「伝統文化」が複雑に絡み合いながらアイデンティティを未来へとつなげてきた、台湾先住民族であるアミの人々の生の過程を描く。
「(表面的・形式的ではない、本当の)信仰」を身につけ、「篤い信仰」を持つのか否か、あるいはキリスト教の信仰を「真に受容した」のか否かは、信者自身による申告や他者による観察によって、客観的かつ相対的に判別できるのだろうか。在来のコスモロジーにおけるパンテオンとカトリック教会の教理における霊的・聖的存在を変換可能とみなすことは、超越的唯一神の崇拝とは相容れない解釈なのだろうか。もしくは、在来のコスモロジーとの親和性を見出しながら解釈されたものは、キリスト教信仰とは呼べないのだろうか。(中略)救済品を獲得したことへの感謝の想いから、集いに参加したり、祈ったり、あるいは洗礼を受けることを決断したりする行為を、「信仰」とはみなせないのだろうか[本書「おわりに」より] - はじめに
序論
第一部 アミとカトリシズム
第二部 アミの入信
第三部 アミの都市移住と都市生活
第四部 都市アミとカトリック信徒共同体
おわりに
あとがき
参考文献一覧
索引