〈聖戦〉という思想 近代日本の宿命

〈聖戦〉という思想 近代日本の宿命

出版社: 作品社
著者: 田中 久文
  • 昭和100年、戦後80年。
    ますます多極化、混迷する世界。
    「新たな戦前」。
    戦争に人びとを駆り出した〈思想〉から、今、平和に生き抜く知恵を探る。
    冷静に、未来の日本の指針を考えるため、近衛文麿らの総力戦体制論、石原莞爾、大川周明らの超国家主義や京都学派「近代の超克」論など、先人たちの思考をもう一度、丁寧に読み直す。
    「実は戦争を自己目的とするような聖戦論は存在しない。……各時代の聖戦論を丹念に紐解くことによって、そこから平和につながる新たな知恵の端緒を見出すことはできないであろうか。そうした願いから本書は書かれたものである。」(本書より)

    【目次】
    序章 聖戦論を問い直す
    第一章 日清・日露戦争――「文明」の名の下での戦い
    第二章 第一次大戦後の新たな正戦論――西洋近代への反発
    第三章 「満州事変」――「総力戦体制」の構築に向けて
    第四章 「支那事変」――「東洋平和」という名の戦争
    第五章 「大東亜戦争」――「大東亜共栄圏」のめざしたもの
    第六章 最後の聖戦論――京都学派と戦争
    終章 「戦争責任」をどう考えるべきか
    あとがき
    注/索引
  • 序章 聖戦論を問い直す
    第一章 日清・日露戦争――「文明」の名の下での戦い
     1 幕末の聖戦論 「尊王攘夷」
     2 日清戦争の聖戦論 「文明」対「野蛮」の戦い
     3 日露戦争の聖戦論 「自由」対「専制」の戦い
    第二章 第一次大戦後の新たな正戦論――西洋近代への反発
     1 第一次大戦による変化
     2 近衛文麿のヴェルサイユ体制批判
     3 北一輝の社会主義革命
     4 大川周明の国家改造
    第三章 「満州事変」――「総力戦体制」の構築に向けて
     1 石原莞爾の戦争観
     2 「満州事変」をどうみるか
     3 「総力戦体制」の始動
     4 「国家総動員」とデモクラシー
     5 蠟山政道の「立憲的独裁」
     6 矢部貞治の「共同体的衆民政」
     7 西田・田辺による国家哲学の形成
    第四章 「支那事変」――「東洋平和」という名の戦争
     1 三つの「近衛声明」
     2 蠟山政道の対中政策論
     3 「総力戦体制」の確立
     4 「東亜協同体」論の簇出
     5 三木清の「協同主義」
     6 西田・田辺の国家哲学の深化
     7 日本主義の思想家たち
    第五章 「大東亜戦争」――「大東亜共栄圏」のめざしたもの
     1 「新体制運動」のゆくえ
     2 「国体」論の再編
     3 西田・田辺の戦争観
     4 日米開戦
     5 「大東亜共栄圏」の理論化
     6 「大東亜共同宣言」の思想
    第六章 最後の聖戦論――京都学派と戦争
     1 京都学派第二世代
     2 高坂正顕 「世界史的民族」としての日本
     3 高山岩男 多極的世界観
     4 鈴木成高 「新しき中世」
     5 西谷啓治 ニヒリズムの克服
     6 座談会『世界史的立場と日本』 「大東亜戦争」の意味
     7 戦争末期の西田・田辺
     8 終戦に向けて
    終章 「戦争責任」をどう考えるべきか
    あとがき

    索引

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