児童福祉・保育の法と権利保障
出版社: 信山社出版
- 子どもの権利は保障されているのか。給付や保護者の費用負担、育休退園など、子どもをめぐる現状と社会保障の役割を分かりやすく検討
- 子どもの権利は保障されているのか。給付や保護者の費用負担、育休退園など、子どもをめぐる現状と社会保障の役割を分かりやすく検討。
- ◆子どもの権利は保障されているのか ― 子どもをめぐる現状と社会保障の役割◆
2024年6月「改正子ども・子育て支援法」が成立した。給付や保護者の費用負担、育休退園、こども誰でも通園制度など、児童福祉・保育の大転換に伴う、法的問題と課題を考える。「子どもの権利は保障されているのか?」子どもをめぐる現状と社会保障の役割を分かりやすく検討。 - 『児童福祉・保育の法と権利保障』
伊藤周平(鹿児島大学法文学部教授) 著
【目 次】
◆序 章 児童福祉・保育の法と権利保障の現状―子どもの権利は保障されているのか
1 改正子ども・子育て支援法の成立と児童福祉・保育の大転換
2 子どもをめぐる現状と社会保障の役割
3 子どもの権利と保護者の権利,子どもを産み育てる権利
4 本書の目的と構成
◆第1章 児童福祉・保育法制の展開と児童福祉法・子ども・子育て支援法
1 児童福祉・保育法制の展開―保育措置制度の見直しと1997年の児童福祉法改正
2 規制緩和中心の保育制度改革の展開
3 認定こども園と家庭的保育事業の制度化から子ども・子育て支援新制度へ
4 コロナ禍のもとでの保育現場
5 子ども家庭庁の創設から改正子ども・子育て支援法の成立へ
6 子ども・子育て支援法と子ども・子育て支援新制度の本質・問題点
◆第2章 子ども・子育て支援新制度における市町村の保育実施義務と保育利用の権利
1 子ども・子育て支援新制度における市町村の保育実施義務
2 2012年改正前の児童福祉法における市町村の保育実施義務
3 2012年改正後の児童福祉法における市町村の保育実施義務
4 市町村による利用調整・利用要請
5 特別な支援を必要とする子どもに対する支援と困難児童に対する措置
6 子どもの保育利用の権利からみた市町村の保育実施義務と今後の課題
◆第3章 子ども・子育て支援法と児童福祉法の給付決定と子ども・保護者の権利
1 子ども・子育て支援法の支給認定の概要
2 支給認定をめぐる諸問題
3 支給認定と保護者の申請権,手続的権利,参加権,争訟権
4 児童福祉法の障害児に対する給付(決定)とその諸問題
5 児童福祉法の要保護児童に対する措置と要保護児童の権利保障
6 子ども・保護者の権利からみた給付決定の課題
◆第4章 子ども・子育て支援新制度のもとでの施設・事業と子どもの権利
1 子ども・子育て支援新制度のもとでの施設の多様化
2 子ども・子育て支援新制度のもとでの事業の多様化
3 子ども・子育て支援新制度における施設・事業の現状と問題点
4 最低基準にもとづく子どもの保育利用の権利
5 保育事故と子どもの権利保障
6 子どもの権利からみた子ども・子育て支援新制度のもとでの施設・事業の課題
◆第5章 児童福祉法と子ども・子育て支援法のもとでの保護者負担と子ども・保護者の権利
1 子ども・子育て支援新制度前の保護者負担
2 子ども・子育て支援新制度のもとでの保護者負担
3 幼児教育・保育の無償化の概要と諸問題
4 実費・上乗せ徴収(特定保育料)と副食費負担の諸問題
5 保育料の滞納問題と市町村の代行徴収の限界
6 子ども・保護者の権利からみた保護者負担の課題―保育・療育の全面無償化に向けて
◆第6章 子ども・子育て支援金,こども誰でも通園制度と子ども・保護者の権利
1 社会保障の歳出削減と社会保障の財源問題
2 消費税による社会保障財源の確保とその問題点
3 子ども・子育て支援金の概要と諸問題
4 こども誰でも通園制度の概要と法構造
5 子ども・保護者の権利からみたこども誰でも通園制度の諸問題と課題
◆終 章 児童福祉・保育の財源確保・法政策と権利保障のゆくえ
1 税制改革の方向性
2 社会保険改革の方向性
3 課題と展望
◇補 論 育休退園と子ども・保護者の権利
1 育休退園の様相と3つの執行停止決定
2 取消訴訟と執行停止の構造
3 本件解除処分の法的性格と行政手続法が定める聴聞手続
4 本件解除処分の手続的違法性
5 本件解除処分の実体的違法性
6 子ども・保護者の権利からみた育休退園の課題
・あとがき