身近な人を自死で失うということ

身近な人を自死で失うということ

出版社: 青弓社
著者: 筧 智子
  • 大切な人との死別により、遺族は深い悲しみや苦しみ、怒りや「見放され感」などが入り交じった複雑な感情「グリーフ(悲嘆)」を経験する。本書は、身近な人を自死で亡くした家族や友人などのグリーフに焦点を当て、自死と自死者をどのように受け止めているのか、当事者の語りから書き起こす。
    無力感や自責の念、一方で苦しむ人の力になりたいという気持ち。自死遺族は一人ひとり違う経験をしていて、抱く感情もさまざまである。親や子ども、配偶者、同僚などを亡くした20人の事例から、自死者に対する感情、困難や支え、捉え方の変化を紹介する。また、自死遺族が集う「分かち合いの会」や往復書簡に取り組む5つの団体への聞き取り調査から、多様な支援のかたちを描き出す。
    自死遺族支援に関わる全国各地の団体を紹介する巻末資料も充実。遺族の語りからグリーフケアのあり方を考える貴重な一冊。
  • はじめに
    第1章 死別の悲嘆について
     1 グリーフとは
     2 グリーフケアとは
     3 自死遺族等が抱える悲嘆
    第2章 日本の自死遺族等支援と自殺対策
     1 自死遺族等支援のこれまで
     2 自死遺族等が抱える問題
     3 日本文化と自殺
    第3章 遺族たちの語り
     1 親を亡くした四人
     2 子を亡くした五人
     3 配偶者を亡くした二人
     4 きょうだいを亡くした三人
     5 祖父・伯母を亡くした二人
     6 友人・同僚・生徒を亡くした三人
    第4章 遺族は自死を/自死者をどう受け止めたのか
     1 自死遺族が抱える苦しみ
     2 自死や自死者をどう捉えたか
     3 自死遺族にとって支えになるもの
    第5章 遺族支援のかたち
     1 ふちゅうのグリーフサポート自死遺族の集い「雨宿り」(子どもを自死で亡くした遺族の集い)
     2 自死遺族のつどい「ゆったりカフェ龍の会」(大切な人を自死で亡くした方の集い)
     3 岐阜県自死遺族の会「千の風の会」(当事者と行政の共同運営による、大切な人を自死で亡くした遺族の集い)
     4 自死・自殺に向き合う僧侶の会「いのちの集い」(僧侶による、大切な人を自死で亡くした方の集い)
     5 自死・自殺に向き合う僧侶の会「自死の問い・お坊さんとの往復書簡」(僧侶による、自死に関する手紙のやりとり)
    補論 悲嘆研究のこれまでと日本での死者と生者の関わり
    おわりに
     
    巻末資料 自死遺族等を支えるさまざまな場

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