アメリカの十字架

アメリカの十字架

出版社: 明石書店
著者: 堀内 一史
  • 宗教はアメリカにとって恩寵であると同時に十字架でもある――。本書では、アメリカの4人に1人を占め、大統領選出にも多大な影響力を及ぼすキリスト教福音派に着目して、同国が背負う十字架――八つの「断層線」を指摘するとともに、それによる苦難を軽減ないし回避する糸口を探る。
  •  はじめに
    第一章 現代アメリカ宗教社会の状況
     信心深いアメリカ人
     アメリカの宗教景観
     用語解説
    第二章 宗教と経済
     近代資本主義と信仰
     時は金なり――ベンジャミン・フランクリンと資本主義の精神
     「金ぴか時代」とアメリカ経済の発展
     富の福音――アンドリュー・カーネギー
     拝金主義批判――ドワイト・ムーディーと福音伝道師
     社会的福音――ウォルター・ラウシェンブッシュ
     資本主義の光と影
    第三章 宗教と貧困――社会的関心と貧困への態度
     キリスト教原理主義、新福音派、福音派左派の誕生
     新福音派と福音伝道師ビリー・グレアム
     公民権運動をめぐるマーティン・ルーサー・キング・ジュニアとビリー・グレアム
     ロナルド・J・サイダーと福音派左派
     ジェリー・ファルウェル、原理主義の政治化、宗教右派
    第四章 宗教と人種
     人種和解運動
     福音派左派の運動
     多人種会衆運動
    第五章 宗教と性的多様性
     アメリカの政界と性的多様性
     福音派の性的多様性
     懸念する福音派
     エックス・ゲイ運動
     福音派の合意
     エックス・ゲイ運動の顛末
     ニュー・シティ教会
    第六章 宗教と環境
     アメリカ人の気候変動の捉え方
     福音派の環境問題への関心と二つの立場
     環境神学の樹立
     社会運動
     反クリエーション・ケア運動
     キャルヴィン・バイスナーという人物
     トランプ政権と環境問題
     四つの対立点
    第七章 宗教と教育(一)――プロテスタントとカトリック
     植民地時代の教育
     教科書の変遷
     ホーレス・マンと公立学校(コモンスクール)
     聖書戦争
    第八章 宗教と教育(二)――宗教右派と一般市民
     宗教右派と一般市民感情
     宗教右派と公立学校
     学校や学校関連行事での祈り
     カリキュラムの中の宗教
     宗教的言論・宗教的表現
     聖書輪読・聖書学習
     教科書
     教育委員会
     宗教学習
     宗教学習の成果
    第九章 宗教と国家――アメリカの市民宗教
     市民宗教とは
     市民宗教を取り巻く時代の変化
     公共宗教の諸類型
     宗教ナショナリズムと連邦議会議事堂襲撃事件
     二〇一六年の大統領選挙
     福音派の八一%がトランプに投票した謎
     トランプ大統領と宗教ナショナリズム
    第一〇章 宗教と対外政策――アメリカのイスラエル支持の謎
     神に「選ばれし民」と神の「約束の地」の起源
     アメリカにおける「選ばれし民」と「約束の地」
     「自由」と「解放」のモチーフ
     アメリカ史におけるミレニアリズム(千年王国説)という終末論
     初期のディスペンセーション主義者とキリスト教シオニズム運動
     アメリカ国民のイスラエル支持とその理由
    第一一章 福音派運動のゆくえ
     NONES――教会無所属人口の増加
     福音派の教会離れの原因
     二〇一六年の大統領選挙による福音派の分裂とアイデンティティ危機
     多様性と福音派左派
     二〇二四年の大統領選挙
     おわりに
     索引
     参考文献

人気の社会/思想/経済書籍

クレジット表示/商標について
サイトについて