ベリーズを知るための60章

ベリーズを知るための60章

出版社: 明石書店
著者: 国本 伊代、木下 雅夫
  • 1980年代に独立を果たした若い国ベリーズ。中米地域では珍しく英語を公用語とする同国はマヤ文明の遺風を残すとともに、歴史のなかで到来したヨーロッパ系、アフリカ系、インド系など多民族が入り混じった社会を形成している。激辛マニア御用達の某トウガラシソースを生んだ国でもある。
  •  まえがき
    Ⅰ ベリーズへの招待
    第1章 世界の中のベリーズ――新興独立国家が40年で到達した姿
    第2章 国土と自然環境の多様性――多様な自然に恵まれた熱帯の国
    第3章 国民の多様性――小国の人口増加の推移と「民族」の多様性
    第4章 動植物の多様性――これから期待される生物種数調査と自然保護活動
    第5章 熱帯の農業国ベリーズ――小さな農業大国の現状と課題
    第6章 環境保全と持続的開発――災害を越えて
    【コラム1】ふたつの首都――新首都ベルモパンと旧首都ベリーズシティ
    Ⅱ 古代マヤ文明の遺産
    第7章 考古学が解明してきたベリーズのマヤ文明――新しい技術によって書き換えられる地図
    第8章 先古典期のベリーズ――独自性を保った北部地域の都市
    第9章 マヤ文字解読が明らかにした古典期マヤ――二大王朝とカラコルを中心に
    第10章 先スペイン期の水上交易――内陸交易から海上交易への転換
    第11章 エリック・トンプソンとベリーズ――サーの称号を与えられたマヤ研究の巨人
    第12章 トウガラシの原産地とマヤ文明――マヤ人はハバネロの香りが好き?
    第13章 ログウッド――ベリーズ・マヤ文明から世界に広がった染料
    【コラム2】マヤの聖なる飲み物から現代のチョコレートへ
    Ⅲ スペインとイギリスの植民地時代
    第14章 スペイン人によるマヤ圏南部の征服――取り残されたベリーズとイギリス人の侵入
    第15章 スペイン領を侵略したイギリス人――海賊からベイマンへの転身
    第16章 イギリスが運んだアフリカ系奴隷――ベリーズの多様性のルーツ
    第17章 イギリスがベリーズを手に入れた理由――ログウッドとマホガニー資源の略奪
    第18章 イギリス人セツルメント時代のベリーズ――イギリス人たちの無法地帯から王室植民地へ
    第19章 未解決の国境線問題――グアテマラと英領ホンジュラスの境界線紛争
    【コラム3】国家と宗教――宗教団体に依存する義務教育の変貌
    Ⅳ 独立に向けて歩んだ近現代史
    第20章 植民地社会の変化――木材モノカルチャー経済の破綻と労働運動
    第21章 「ナショナリスト運動」――植民地支配に対する反英運動の拡大
    第22章 立憲君主国家の誕生――30年をかけた独立への長い道
    第23章 ネオリベラリズムの中の後発独立国の歩み――多文化社会の障害を乗り越える次世代への期待
    第24章 公教育制度の整備と多言語教育――ベリーズ人らしさの育成に向けて
    第25章 ベリーズのジェンダー――社会の担い手となった女性の社会的地位
    【コラム4】ブリス男爵記念日から国民的勇者・貢献者の日へ
    Ⅴ 経済の多様化の実現
    第26章 食料輸入国から輸出国への課題――食料安全保障と食料主権
    第27章 小国における加工食品産業――変化の時期にあるビールとトウガラシソース
    第28章 漁業の近代化――持続可能な漁業を目指して
    第29章 ベリーズの観光産業の成り立ち――周辺国との関係によって進んだ観光立国
    第30章 ベリーズの観光のいまとこれから――2030年に向けた国家戦略
    第31章 石油資源の開発――長い夢、これからの夢
    【コラム5】ブルーホールに潜る
    Ⅵ 多民族・多文化国家の現状と課題
    第32章 多民族社会としての21世紀のベリーズ――人口増加を目指した結果としてのモザイク社会
    第33章 マヤ系先住民のコミュニティ――その定住の歴史と現状
    第34章 ベリージアン・ディアスポラ――ベリーズ系米国人とベリーズ
    第35章 移民・難民の受け入れ国ベリーズ――「平和の谷」政策
    第36章 食文化に見る多民族性――そこにあるものを活かす知恵
    第37章 ベリーズ型多民族社会の現状と課題――モザイク社会の姿と国民統合問題
    【コラム6】マヤの生活に密着したヤシとその仲間
    Ⅶ ガリフナの歴史・社会・文化
    第38章 ガリフナ前史――小アンティル諸島セントビンセント島での戦いと中米への追放
    第39章 ガリフナ・コミュニティの拡散――どうやってベリーズに来て、米国に移住したのか
    第40章 ガリフナ・エリート――各界で新生国家に貢献するガリフナ人
    第41章 ガリフナの言語・舞踏・音楽――身体に刻まれた民族の記憶
    第42章 ガリフナの言語を継承する学校教育――グリシ・コミュニティ小学校を舞台に
    第43章 ガリフナの祖霊信仰――カトリックとシャーマニズムのシンクレティズム
    【コラム7】ガリフナ入植記念日
    Ⅷ アジア系・中近東系・ヨーロッパ系移民
    第44章 東インド系移民の歴史と現状――段階的・組織的にやってきた多民族からなる東インド系移民
    第45章 中国系移民の歴史と現状――契約労働移民から資本持参の移民の時代へ
    第46章 中近東移民の歴史と現状――レバノン系とユダヤ系
    第47章 「白人」移民の歴史と現状――ベイマンから長期滞在退職者と海外投資家まで
    第48章 メノナイト・コミュニティ――新天地を求めてベリーズに転住したキリスト教再洗礼派信徒集団
    【コラム8】日本人コミュニティ――小国ベリーズの中に広がる日本愛
    Ⅸ 多民族国家のナショナルアイデンティティ
    第49章 クレオール系住民の場合――多民族国家ベリーズの調和を図る国民
    第50章 マヤ系住民の場合――衰退した文明の存続の証としてのアイデンティティ
    第51章 ガリフナの場合――ガリフナという民族の国家的性格
    第52章 東インド系の場合――インド色を主張しすぎることのない新移民と旧移民
    第53章 中国人の場合――“働きすぎの中国人”にとってのベリーズ
    第54章 イスラム系の場合――アラーのもとに集まるさまざまなベリーズ人
    【コラム9】ベリーズの国旗と国歌
    Ⅹ グローバル化の中のベリーズ
    第55章 21世紀のベリーズと旧宗主国イギリスとの関係――変わりゆく2国間関係
    第56章 ベリーズとカリブ共同体――カリブとしてのベリーズ
    第57章 ベリーズと中米統合機構――中米としてのベリーズ
    第58章 ベリーズと台湾の関係――孤立する台湾と超大国となった中国との狭間で
    第59章 ベリーズと日本――国際協力機構(JICA)のベリーズに対する技術支援政策
    第60章 JICA海外協力隊の活動――草の根レベルのベリーズに対する技術支援政策
    【コラム10】海島綿にみた夢
     参考・参照文献一覧

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