
改訂新装版 私の日本地図
出版社: 琥珀書房
- かけがえのない〈命〉の明滅を「愛の眼」(金石範)でとらえた在日朝鮮人作家の名著を気鋭の歴史学者の解説・新発見資料を付し復刊。
- 幼い日に済州島より大阪猪飼野に渡り、貧困、戦争や結核といった苦難の中、日本社会で生き延びる中で身につけた日本語が伝える珠玉の記録の数々。
植民地支配によって枠付けられた自らの人生とは… - 排外主義の時代の「道しるべ」。かけがえのない生を「愛の眼」(金石範)によってとらえつづけた在日朝鮮人作家の名著復刊。
「形を異にした生さえ共生となり、苦しみを異にした死さえ同死の意味を含む。それゆえ、書く行為が人間の生に寄りそえる営みであることが、私の勇気を促してくれる」(金泰生)
幼い日に済州島より大阪猪飼野に渡り、貧困と病、そして戦争と分断の時代を生きた著者による、珠玉の自伝的記録。
「歴史によって強制連行された」自らの人生とは何であったのか。無告の民のかけがえのない〈命〉の明滅を「愛の眼」(金石範)によってとらえつづけた在日朝鮮人作家の名著を、気鋭の歴史学者による充実の解説・付録と新発見資料を付して半世紀ぶりに復刊する。(本書とあわせて金泰生の人生を大きな円環として描く連作集『旅人伝説』も同時刊行!) - 序章 故郷へ―
第一章 小さな旅立ち
第二章 出会いと別れの間で
第三章 失われたるもの
第四章 母国甦える日々
あとがきに代えて
付録 ある女の生涯
付録 『中野重治詩集』との出会い
付録 野間宏宛 金泰生書簡
解説 「二重の死」に抗する文学 ―『私の日本地図』に寄せて 鄭栄桓
金泰生 年譜
金泰生 作品目録