時の一針一針

時の一針一針

出版社: 作品社
著者: ロジャー・パルバース
  • 「宮沢賢治の研究者にして、世界を旅する、映像作家パルバースは、圧倒的体力と知力とやさしさで走り続け、ついに21世紀のコスミック・ケンジへと昇華した。」――隈研吾
    井上ひさし、大島渚、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、別役実、大江健三郎、唐十郎、アンジェイ・ワイダ、ヴィトカツィ、ヨルク・シュマイサー、宮沢清六、チェスワフ・ミウォシュ……
    80余年の人生で出逢った多彩な人たちの回想録。
    〈人生という布は時空間に広がり、時が経つにつれてさらに広がっていく。その時空の布は、何百万、何千万ものイメージ、音、匂い、味、手触りによって縫い合わされている。しかし、それぞれの瞬間が次の瞬間へと移り変わるにつれて、人生の布に織り込まれたそれらの一針一針の縫い目は、膨張する宇宙の銀河のように、互いに離れていく。その後、ひとつの縫い目と別の縫い目、そしてまた無数の別の縫い目を結びつけることができるのは記憶だけである。……この本は、過去のリアルな出来事で縫い合わされている。人生とはある大きさの布であり、その大きさは時間で測られる。しかし、人生という布の質感、つまり豊かさ、広さ、そして完全な意味でのデザインは、あなたが光の中にいる時間の長さではなく、そこに一針一針織り込まれた縫い目によって決まるのである。〉――本書「プロローグ」より

    【目次】
    プロローグ
    記憶の縫い目Ⅰ
    五感と時間のデザイン――「美の一針一針」
    記憶の縫い目Ⅱ
    あとがき
  • プロローグ
    記憶の縫い目Ⅰ
     カリフォルニア、ロサンゼルス 一九五七年――マイ・ヒーロー
     マサチューセッツ、ケンブリッジ 一九六四年――「ムーザ」
     ラトビア、リガ 一九六四年――偶然の出会い
     ロサンゼルス 一九五〇年代後半――「あるスチール」
     『オー・ロスト』(失われしもの)――トマス・ウルフ
     東京 一九七四年十二月――井上ひさし
     オーストラリア、メルボルン 一九八一年九月――大島渚と『戦場のメリークリスマス』
     東京 一九七一年――別役実
     東京、成城 一九八六年六月――大江健三郎
     京都 一九六八年――唐十郎
    五感と時間のデザイン――「美の一針一針」
     香を聞く――線香時計
     香りで綴る「時の詩」
     時の残響と時間のふくらみ
     時のフリッソン
     余白、余情と時間のデザイン
     目に見える縫い目
     時間旅行と規模のデザイン
     巨大に明るい時間の集積
     私の「遊園地」
    記憶の縫い目Ⅱ
     大阪 一九七〇年三月――アンジェイ・ワイダ
     ポーランド、クラクフ 一九六七年一月――先祖たち
     ロサンゼルス 一九五七年五月――ユダヤ教の成人式バル・ミツバー
     ソ連 一九六四年夏、一九六五年夏――テシッチ、KGB
     ポーランド、ワルシャワ 一九六六年――ヴィトカツィ
     京都 一九六八年春――ヨルク・シュマイサー
     花巻 一九六八年九月――宮沢清六
     沖縄、八重山 一九七七年十二月――『星砂物語』
     小さな一針たち 一九六四年~二〇二五年――フレモー、ミウォシュ、カーン、ゾルゲ
     ニューヨーク 一九六四年十月――『ザ・ダッチマン』
     東京 二〇一〇年――隈研吾
     オーストラリア、シドニー 二〇二五年――『ザ・キッチンマン』
    あとがき

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