埃だらけのすももを売ればよい ロシア銀の時代の女性詩人たち

埃だらけのすももを売ればよい ロシア銀の時代の女性詩人たち

出版社: 書肆侃侃房
著者: 高柳聡子
  • 詩集とはある世界観の具現であった
    ロシア文学におとずれた興隆期「銀の時代」(1890~1920年代)。
    ロシアの古書店で著者がたまたま見つけた詩集を手がかりにして、100年前の忘れられた15人の女性詩人たちのことばを一つずつ拾い上げる。
    「web侃づめ」の好評連載が書き下ろしを加えて書籍化!
    『女の子たちと公的機関』が増刷を重ねる著者による珠玉のエッセイ集。
    「鮮烈である。もう埋もれさせはしない。忘れ去られ、あるいは神秘化された女性詩人たちの生き様と詩作を掬い出すかのようなこの本は、そんな祈りにも思える。」
    ━━━━━水上文さん

    【登場する詩人】
    ◆アンナ・アフマートワ
    「アクメイズム」の流派に属し、詩「キーウ」など二つの世界大戦時それぞれに戦争詩を残した。
    ◆リジヤ・ジノヴィエワ=アンニバル
    ロシア文学初のレズビアン小説『三十三の歪んだ肖像』を書いた。
    ◆ジナイーダ・ギッピウス
    「現代的なこととは一時的なことなのだから」と、一冊の書物としての詩集というかたちに違和感があった。
    ◆チェルビナ・デ・ガブリアック
    「架空の詩人」としてデビュー。土地改良技術者と結婚後に神智学に没頭、最終的には宗教的な精神の求道を行う。
    ◆ソフィア・パルノーク
    「銀の時代」にあって自身がレズビアンだと公表した唯一の詩人。「攻撃的なレズビアン」として非難され、孤独な詩を書いた。〈心臓が停止の合図を出すのが聞こえる〉と自分で書いたとおり、心臓が破裂して亡くなる。
    【目次】
    まえがき
    1 遠い異国を見つめて アデリーナ・アダーリス
    2 もっとも忘れられた詩人 マリア・モラフスカヤ
    3 戦争と詩を書くこと アンナ・アフマートワ
    4 詩は私の祈りである ジナイーダ・ギッピウス
    5 二つの魂を生きて チェルビナ・デ・ガブリアック
    6 私の身体は私のもの マリア・シカプスカヤ
    7 誰も見ぬ涙を詩にして リュボーフィ・コプィローワ
    8 風そよぐ音にも世界は宿り エレーナ・グロー
    9 「女の言語」を創出せよ ナデージュダ・ブロムレイ
    10 昼の太陽と幸福と、そして夜の闇と テフィ
    11 すべての詩は啓示となる アデライーダ・ゲルツィク
    12 わが歌は私が死んでも朝焼けに響く ガリーナ・ガーリナ
    13 テクストの彼岸にいる私 リジヤ・ジノヴィエワ=アンニバル
    14 ロシアのサッフォーと呼ばれて ソフィア・パルノーク
    15 私は最期のときも詩人である マリーナ・ツヴェターエワ
    「銀の時代」主要人物
    参考文献
    あとがき

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