無駄にしたくなかった話

無駄にしたくなかった話

出版社: 筑摩書房
著者: 水村 美苗
  • 加速度的に変化する世界をどう見つめ、どんな言葉を紡いだのか。エッセイを中心に平成から令和にかけての足跡を辿る文章集。
  • 加速度的に変化する世界をどう見つめ、何を感じ、どんな言葉を紡いだのか。エッセイや評論、未発表講演録も収録した平成から令和にかけての足跡を辿る文章集。
  • 創作への意識、暮しの可笑しみ、家族への想い、文学や日本語のこと――
    多様で複雑で加速度的に変化する世界をどう見つめ、何を感じ、どんな言葉を紡いだのか。
    書き下ろし長編エッセイ、評論、書評、日記、未発表講演録を収録した文章集。
    平成から令和にかけての足跡を辿る。
    ===
    物書きにとって実に貴重な六十代に日本語で書いていなかった――そんな後悔のなかに長いあいだ生きていた私を救ってくれたのが、この『無駄にしたくなかった話』の出版である。「十二年ぶり」の小説(『大使とその妻』)が出たところで新しいエッセイ集を出してもらおうと書棚の上に手を伸ばしてフォルダーを取り出すと、驚くほどさまざまな文章が出てきた。日本語で書いていなかった、日本語で書いていなかった、と口惜しくも悲しくも思っていた歳月に、なんとこれだけ書き残していたのか……。不毛だったと思っていた暗い歳月が突然春の陽の光を受けたようであった。――「はじめに」より
  • はじめに
    無駄にしたくなかった話
    Ⅰ 二〇〇九―二〇一四
    想像力の優位
    孔雀の羽模様のサリー
    エドウィン・マクレランの追悼文
    日記 二〇一〇年八月
    ノーベル文学賞と「いい女」
    コスモポリタンな作家
    祖母と母と私
    消えゆく人たちと高原の風
    講演 『母の遺産――新聞小説』と近代日本における横浜の意味
    心のふるさとになった千歳船橋の家
    「タレント」と「タラント」
    いつしか見知らぬ風景のなかに
    インタビュー 古典でありつづける小説
    センチメンタル・ジャーニー
    長寿社会と日本語の小説家
    インタビュー 『續明暗の理由』
    講演 私の知っていた加藤周一さん
    Ⅱ 二〇一五―二〇一九
    あるフランス人の女中さん
    日本より頭の中の方が広いでしょう
    したたかで、律儀でも、やはりしたたか
    『錦の中の仙女』
    夏目漱石
    講演漱石と日本語と日本近代文学と日本
    また一つの文化が......
    「ナンパされた話」
    含羞の人
    祖母の背中
    日記二〇一八年二月
    両手をパン!
    『樋口一葉全集』
    ツマンナイ――と言っていられる贅沢
    完全な絶望はありえない
    講演 「世界文学」と「日本近代文学」
    講演 加藤周一と「日本語で書く」こと
    加藤周一さんに関しての追記
    Ⅲ 二〇二〇―二〇二三
    センチメンタル・ジャーニー2 あるいは『続私小説from left to right』
    友としたし、吉屋信子
    日記 二〇二〇年五月①
    日記 二〇二〇年五月②
    文学者が老いること
    講演 母語で書くということ
    とうに終わっていた「女流文学」
    「母性神話」と私の母
    日記 二〇二三年三月

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