
死んだら無になる
出版社: 筑摩書房
- 恋愛に絶望し、仕事にも倦み、家族は疎ましく、セルフケアすら世間が水を差す――救いを求めて赴いた座禅道場で柳田が見たものは?!
- 恋愛に絶望し、仕事にも倦み、家族はいよいよ疎ましく、せめてものセルフケアも世間が邪魔をする――救いを求めて赴いた怪しげな座禅道場で柳田が見たものは?!
- 第39回太宰治賞受賞『自分以外全員他人』、「本の雑誌年間ベストテン」第3位『孤独への道は愛で敷き詰められている』に続く<柳田譲>サーガ三作目!
報われぬ中年男性の魂の彷徨を描く
恋愛に絶望し、仕事にも倦み、家族はいよいよ疎ましく、ささやかなセルフケアも世間が容赦なく水を差してくる――。すべての苦しみから逃れて「無」になることを求め赴いた怪しげな座禅道場で柳田譲が見たものは!?
===
生きれば生きるほど、自分は人生に不向きであることを思い知った。人が当たり前にできることが、どうやら自分にはどうしてもできないらしい。四十を目前に控えた今、そのことにようやくはっきりと気付いた私は、これを機にいろいろなことを諦めることにした。やりがいのある仕事も、夢中になれる趣味も、誰かと一緒に生きることも。そうして小さな喜びで満足できるよう幸せのハードルを下げることでなんとか生きのびようとしていた。(本文より)
