
真知子
出版社: 筑摩書房
- 学問への憧れ、忍ぶことのできない屈辱、暴力への静かなる抵抗――マルキシズムの風ふく昭和初期を駆け抜けた、真知子の愛と思想と友情の物語。
- 帝大で社会学を聴講する真知子は、保守的な母親から結婚問題を持ち出され、プチ・ブルジョアの体面を精一杯取り繕う滑稽な日常にいらだちを覚える。傾きかけた家の事情で大学を去った親友・米子が抱え込む苦悩にも無力なばかりだ。そんな彼女を焚きつけるように現れたのは、革命運動に信念を燃やす美貌の男・関。たちまち激しく魅かれ合うも、米子から彼の子を身ごもっていると知らされて──。
解説 小川公代
カバーデザイン 畑ユリエ
カバー装画 小宮りさ麻史奈 - 真知子
解説 小川公代