
土と石の記憶
出版社: 有志舎
- 韓国現代史上最大の悲劇の一つ、四・三事件。被害者をめぐる日常生活史と慰霊の在り方などから、暴力・虐殺について考える。
- 韓国現代史上、忘れられない悲劇である四・三事件。その被害者をめぐる日常生活史と慰霊の在り方、また日本の植民地支配や戦後日本社会と済州島との関係などから暴力・虐殺とその影響について考える。
- 1948年の大韓民国成立直前、米軍が占領する北緯38度以南のみの制憲議会選挙に反対し、4月3日に朝鮮半島南部の済州島で武装蜂起が始まった。米軍政とのちの韓国政府は蜂起を鎮圧しただけでなく、全島を対象に苛烈な焦土化作戦と弾圧を展開し、蜂起とは関係ない民間人も含め多くの犠牲者が出た。四・三事件である。本書は、蜂起と虐殺、犠牲者への慰霊と残された人びとについて、玄武岩と火山灰土の土地に拠る日常生活史を通して考える。また日本の植民地支配との関係や、生きるために日本へと渡った人びとの歴史も視野に入れながら、日常生活の空間が虐殺の現場になってしまった経験とその後に目をこらしていく。
- 序 章 事件と日常
第一章 四・三蜂起と住民の社会的ネットワーク
第二章 焦土化作戦のなかの生業と生活
第三章 四・三犠牲者の慰霊と済州島の民俗文化
第四章 在日済州島出身者一世とその故郷
終 章 生活の中の四・三、四・三の中の生活
