近代日本の租税と社会
出版社: 有志舎
- 「租税」というアプローチから広く近代日本社会を検証し直す試み。
- 租税史を課税・収税システムの形成とその実態究明だけに終わらせるのではなく、「租税」というアプローチから広く近代日本社会を検証し直す試み。
- 租税史という研究分野は、近代日本における課税・収税システムの形成とその実態の究明はもちろん、政治・行政・経済・社会・思想・文化など多方面からの検討が不可欠である。同時に、「租税」は日本近代史への新たなアプローチを模索するためのキーワードとしても捉えられる。本書は近代租税史論集の第三弾として、「租税」を研究視角に設定するからこそ明らかになってくる近代日本社会の多様なあり方とその実態を解明する。
- はしがき(小泉雅弘)
Ⅰ 租税と財政・資金
一 明治元年の東幸資金調達と三井(小泉雅弘)
二 戊辰戦争における高松藩および伊予松山藩の上納軍資金と鹿鳴館の建設
(中川壽之)
三 明治初期の直轄県における徴税政策(宮間純一)
―房総知県事・宮谷県を事例に―
四 直轄県の貢租改革(堀野周平)
―日光県の検見・安石代・畑方米納―
Ⅱ 租税と政治・社会
五 一地方士族の理財論(林幸太郎)
―庄内藩士族松森胤保を事例に―
六 東京十五区制の形成と三新法(牛米 努)
―民費制限と区務改正―
七 東京府第一勧工場をめぐる予算について(佐々木 優)
―東京府会明治一二年度勧業費予算審議を中心として―
八 第一次大戦後における地方税の「社会政策」的模索(中西啓太)
―秋田県会の雑種税をめぐる議論から―
九 古関裕而の社歌と企業ソング(刑部芳則)
あとがき(中川壽之)