「慈善」と「不穏」の近代社会史
出版社: 有志舎
- 江戸時代の「仁政」と現代の「福祉国家」のあいだを問う。
- 江戸時代の「仁政」と現代の「福祉国家」のあいだを問う。
- 近世・近代転換期から一九一八(大正七)年の米騒動前後にかけて、日本の都市部の生活を支えた仕組みはいかなるものだったのか。恒常的な救貧、災害救助支援や米価騰貴への対応の局面などに着目して、行政だけでなく、富者や新聞など民間が果たした役割をも明らかにする。また、福祉の供給側が、そうした役割を担った歴史的・社会的背景についても考察。貧民の暴力と「不穏」に促された「慈善」から、社会事業・社会政策への変容を、人びとの生活の場から描き直す。
- 序 章 「仁政」と「福祉国家」のあいだを問う
第一章 近代民間福祉の出発
第二章 近代の救貧と富者
第三章 一八八六年の俵屋火事と「積善の家」
第四章 「慈善」と「不穏」―一八九〇年の米価騰貴をめぐって―
第五章 名望と民間福祉―一九〇五年の火災をめぐって―
第六章 「慈善」を促す地域社会―一八九七~九八年、一九一二年の米価騰貴をめぐって―
第七章 「慈善」と中間層―一九一八年の米価騰貴をめぐって―
終 章 「慈善」から「社会都市」へ