
「きく」教育研究のオルタナティブ
出版社: 春風社
- 誰かの話、奏でられた音、自然のそよぎ、私を呼ぶ声――
教育をめぐる「きく」ことの本質や構造といった諸様相とその意義を、アメリカの哲学者ドン・アイディの現象学的聴覚論や、音声の経験に関する様々な教育者の思想を手がかりに、教育実践の各事例をもとに探究する。「きく」ことの教育に対する既存の文脈にとらわれない、多様なその意味の交錯を解き、教育に会する知覚や想像による学びのかけがえのなさを捉え直す。 - はじめに
第I部 オルタナティブとしての「きく」教育研究序説
第1章 既存のきくことの教育研究をめぐる問題
第2章 きくことの現象学的探究モデル
第3章 きくことの現象学の比較検討
第II部 ドン・アイディの現象学的聴覚論
第4章 アイディの研究歴と現象学的聴覚論の位置づけ
第5章 現象学的聴覚論の目的とアプローチ
第6章 現象学的聴覚論の諸概念
第III部 「きく」教育理論研究のオルタナティブ
第7章 意味生成、身体、原リズム――ジョン・デューイ
第8章 沈黙、内的対話、創造的営み――倉澤栄吉
第9章 原リズム、想像可変性、しみわたり――エミール・ジャック=ダルクローズ
第IV部 「きく」教育実践研究のオルタナティブ
第10章 学級歌づくり実践の作詞過程におけるきくこと
第11章 小さな哲学者たちと現象学するきくことの授業実践
第12章 文学教材におけるきく意味を考える国語科授業実践
第13章 沈黙の意味を考える授業実践
第V部 総合考察
第14章 オルタナティブとしての「きく」教育研究の理論と実践を探究する意義
註
あとがき
引用文献一覧
初出一覧
人名索引
事項索引
