共古・山中笑の忘れ残りの記

共古・山中笑の忘れ残りの記

出版社: 文学通信
著者: 目時美穂
  • 明治最初期のキリスト教伝道者にして、民俗学の先駆者でもあった山中共古(やまなか・きょうこ)、本名笑(えむ)。山中は果たしていかなる人物だったのか。
    生涯にわたってキリスト教を各地で布教するかたわら、その土地の文化や伝承、民衆の生活を熱心に拾い集めた。信仰と趣味に全力を注ぎ、その活動は、柳田国男から「学問と人間愛との奥ゆかしい結合」と評価された。
    四半世紀日記のように書き続けた著名な「共古日録(きょうこにちろく)」と「続共古日録(ぞくきょうこにちろく)」には日付がなく時系列で話題が提供されるわけでもない。「数十年前の思い出が書かれたかと思えば、つぎは数日前に採取した好古の情報だったりする」。
    幕末から昭和の初めまでを生き抜いた謎と矛盾多きその人生を、膨大な資料を博捜し、浮かび上がらせる唯一無二の評伝。山中はどう生きることを願い、何を体験し、何を感じていたのだろうか。図版多数掲載。
    【本書では、最初期のキリスト教の牧師としてでも、柳田国男以前の土俗学(民俗学)成立に功績があった人でもなく、そうした業績と、ここまでに述べた多くの矛盾をふまえ、山中笑というひとりの人間がどう生きることを願い、何を体験し、何を感じたのかをたどってみたい。】……「はじめに 謎と矛盾多き清らかな人生」より
  • はじめに 謎と矛盾多き清らかな人生
    第一章 道をみつけるまで──江戸城大奥の終焉と静岡移住まで
       忍者の子孫
       千代田の御城
       江戸は滅びる
       みな去りし首府
       静岡藩とクラーク先生
    第二章 神の道──明治キリスト教の伝道事情
       全世界に行って、福音を宣べ伝えなさい
       正式な牧師になる
       巡回法下の布教
    第三章 人の道──趣味の世界と友 
       そもそも拾い集めてみようと思ったこと
       松浦武四郎がやってきた
       落葉集め
       東京ふたたび
       太平の逸民、集古会の人びと
       山の手月夜会
       見付でみつけたこと
       最後の任地、駿州吉原にて
    第四章 彼の道──山中笑流、本当の信仰
       引退牧師の東京生活
       素人歓迎、武蔵野会
       幼なじみの四谷鳶
       老いても子に従わぬやもめ生活
       頑固者の死
       神のしもべ、人の友
    おわりに
    山中笑略年譜
    主要参考文献
    主要人名索引

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