
女も男も146号 高齢・単身女性の貧困と社会保障
出版社: 労働教育センター
- 高齢単身女性の高い貧困率と制度の偏りを示し、年金・生活保護裁判から社会保障の課題と未来を探る。
- 高齢単身女性の貧困率44.1%という深刻な実態と年金・社会保障制度のジェンダーバイアスを検証。年金・生活保護裁判の歩みを通じ現状を多角的かつ包括的に分析し、制度の機能不全と今後の課題を明らかにする。
- 高齢・単身女性の貧困率44.1%(2021年)という深刻な現実。ひとり親世帯と並び、なぜこれほどまでに高いのか──。本書では、年金制度・社会保障制度に潜むジェンダーバイアスに焦点を当て、その構造的な問題をわかりやすく解説します。
近年は物価高が続き、生活困窮・貧困の拡大が加速。にもかかわらず、本来「貧困を解消し、暮らしを支える」はずの社会保障制度は、今や機能不全に陥りつつあるのではないかと指摘されています。
本号では、1000人以上の原告が声をあげた年金裁判と生活保護裁判を丁寧に紹介し、私たちが未来に望むべき社会保障のあり方を多角的に探ります。 - PART 1 高齢・単身女性の貧困
労働問題としての高齢女性の貧困
竹信三恵子(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
なぜ女性は低年金か
──年金裁判が問うた人権
今野久子(弁護士)
氷河期世代のシングル女性のいま
飯島裕子(桜美林大学健康福祉学群准教授)
親を介護するシングル介護者
──「社会保障リテラシー」獲得に向けて
森詩恵(大阪経済大学教授)
「働けない」独身女性にとっての税金と社会保障
栗田隆子(文筆家)
PART 2 最後の命綱・生活保護を考える
「いのちのとりで裁判」が問うたもの
小久保哲郎(弁護士・いのちのとりで裁判全国アクション事務局長)
なぜ生活保護は使いづらいのか
雨宮処凛(作家・反貧困ネットワーク世話人)
生存権の視点から考える外国人の生活保障
奥貫妃文(昭和女子大学人間社会学部福祉社会学科教授)
移住女性の貧困と複合的な課題
稲葉奈々子(上智大学教員・移住者と連帯する全国ネットワーク運営委員)
PART 3 女性・低所得者を冷遇する日本の社会保障制度
貧困・格差に立ち向かうのか
──女性処罰からジェンダー平等へ
大沢真理(東京大学名誉教授)
《探る・深める》子ども食堂から見えるひとり親家庭のいま
遠藤洋子(つばさ会代表)
「全世代型社会保障」改革と社会保障の財源確保の課題
伊藤周平(鹿児島大学法文学部教授)
