大正期日本の転換

大正期日本の転換

出版社: 芙蓉書房出版
著者: 櫻井 良樹
  • 「大正期」は近代史上の“脇役”だったのか? 社会に多くの可能性が生まれ、歴史の“重み”を内包したことを浮き彫りにする一冊。
  • 「大正期」は近代史上の“脇役”だったのか? 社会に多くの可能性が生まれ、歴史の“重み”を内包したことを浮き彫りにする一冊。
  • 「大正期」とは、日本の近代史でどのような時代であったのか。本書では、明治と昭和に挟まれた“転換期”と大上段に位置づけることはせず、日露戦後から辛亥革命、大正政変、第一次世界大戦を経ていく過程の日本において、従来の政治の枠組みや外交政策、そして日本社会が“多様な転換”を見せるなかで、さまざまな“可能性”を見せていた時代であったことを浮き彫りにした。
    【目次】
    ■第一部:序・日露戦後ナショナリズムのゆくえ
    第一章:日露戦争後の日本と「大国民」意識
    第二章:大正期ナショナリズムの位置を考える
    ■第二部:日露戦後の政治と社会
    第三章:島田三郎と政界革新運動
    第四章:宗秩寮の創設と貴族院
    第五章:日置黙仙の慰霊活動
    第六章:加藤高明と中国
    ■第三部:辛亥革命と日本
    第七章:辛亥革命と日本政府の対応
    第八章:日本陸軍の出兵計画
    第九章:清王朝の崩壊と護憲運動・大正政変
    ■第四部:辛亥革命の周辺
    第一〇章:宇都宮太郎と後藤新平
    第一一章:中国辺境(新疆)と近代日本との関係史スケッチ
    第一二章:東南アジアとアメリカの辛亥革命記念空間を訪ねて
    第一三章:一九二〇年代前半の日中関係に関する史料紹介
    ・主要人名索引
  • 「大正期」とは、日本の近代史でどのような時代であったのか。本書では、明治と昭和に挟まれた“転換期”と大上段に位置づけることはせず、日露戦後から辛亥革命、大正政変、第一次世界大戦を経ていく過程の日本において、従来の政治の枠組みや外交政策、そして日本社会が“多様な転換”を見せるなかで、さまざまな“可能性”を見せていた時代であったことを浮き彫りにした。
    【内容紹介】
    ■第一部:日露戦後期から大正期の社会・政治を俯瞰した2つの章で構成。
    第一章:日露戦争の勝利によって列強から大国と認められ、また自身も「大国民」という自覚を持った日本が、植民地拡大や国際関係の変化に直面する様子を描く。
    第二章:大正時代のナショナリズムやその位置づけについて、天皇制や国内外の政治状況を背景に論究。また、大正天皇即位後の国民や報道の反応、国内外の政治的変化、特に外交政策や帝国主義的な議論がどう発展したか。
    ■第二部:日露戦後の政治と社会に関する論文集。
    第三章:日露戦後政治体制を切り崩し、大正期の政治において一定の役割を果たした政治家、島田三郎の活動を紹介することで、桂園体制期に政界の中心から疎外されていた勢力の大正期への転換を見る。
    第四章:政党勢力の増大が進行していく体制下でなされていた華族・貴族院の動向を扱った。
    第五章:多くの戦死者を生んだ日露戦争が、日露戦後社会に与えた動きの一つを、犠牲者の全国的追悼活動を通じて紹介した。
    第六章:加藤高明の特に中国とのかかわりを論じることを通じて、島田三郎とは異なる日露戦後から大正期の政治社会の展開を示した。
    ■第三部:辛亥革命100周年をあたり執筆した論文集。
    第七章:日本の外交政策が革命事件をきっかけに分裂・混乱していく過程を描く。
    第八章:革命のクライマックス期に構想、一部は実行された日本陸軍による出兵計画の全貌を明らかにする。
    第九章:清国の政体問題を論じる日本の世論を分析し、それと大正政変・護憲運動とのつながりについて再考する。
    ■第四部:辛亥革命、その後の中国に関する論文集。
    第一〇章:大陸に関心を有する人物として共通しているものの、これまで並べて論じられることのなかった宇都宮太郎と後藤新平の関係を史料面から明らかにする。
    第一一章:地理的に遠く直接的な関係の少なかった中国の新疆地域に対する参謀本部の見方と位置づけを見る。
    第一二章:辛亥革命の記念物である歴史遺跡を巡った体験を通じて考えたこと。
    第一三章:その後の日中関係の展開に関する史料を紹介する。

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