三国志を歩く 中国を知る
出版社: 西日本新聞社
- 今の中国を見つめる冒険の書
三国志好きの著者(新聞記者)がゆかりの史跡・名勝、
緊張走る国境地帯や新疆ウイグル自治区などを歩き、
現代中国の深部に迫った渾身のルポルタージュ
三国志は大好きだけど、今の中国はよく知らない、興味がない、という人は多い。とはいえ、今や世界第2位の経済大国であり、日本にとって最大の貿易相手国である隣人・中国について知ることは、これからの日本の活路を考える上で欠かせない。
そこで、日本人に身近な存在である三国志の舞台となった地を巡り、中国の今を見つめる旅に出たいと考えた。
2020年8月から3年間、コロナ禍の中国に赴任した著者が30省・自治区・直轄市を訪れ、のべ114都市を踏破した。
本書は、2022年9月から2023年8月まで西日本新聞で連載した長期企画「三国志を歩く 中国を知る」を再構成し、書き下ろしも含めて大幅に加筆したものを軸としている。
三国志と三国志演義の基礎知識をおさらいする「正史と演義」、現代中国に残る三国志の聖地を巡った「三国志聖地巡礼」、現代中国の国境地帯を中心としたルポ「三国志の周縁地を歩く」に、コラム「意外と知らない中国の素顔」を織り交ぜている。
巨大で奥深い中国で、著者が直接見聞きし体感したことを一冊にまとめた。
桃園の誓い、赤壁の戦い、そして五丈原─。三国志ゆかりの地を巡り、中国と日本の過去と現在と未来が交錯する旅へ。いざ、ご一緒に。 - 8P 旅のはじめに
15P 第一章 正史と演義――三国志と中国のガイド
16P 【1】始まりの物語―黄巾の乱と三国志の成り立ち(184年)
21P 【2】権謀術数の10年―董卓の乱~官渡の戦い(184~200年)
25P 【3】三国時代の幕開け―赤壁の戦い~三国鼎立(200~229年)
30P 【4】終わりの物語―諸葛亮の北伐~蜀漢・魏・呉の滅亡(222~280年)
37P コラム 意外と知らない中国の素顔1
51P 三国志聖地巡礼――中国を知る旅
52P 【1】教祖張角の墓を探し宗教政策の闇を見る(定州)
64P 【2】桃園の誓いの村で中国の義理人情を学ぶ(涿州)
74P 【3】臥龍青春の里で現代の皇帝の悲哀を思う(襄陽)
100P 【4】孫呉の古都で郷土愛と外交力に感じ入る(南京、武漢)
111P 【5】趙雲獅子奮迅の坂で理想の人物像を探る(長坂坡、常山)
123P 【6】関羽の三つの墓を巡り神誕生の謎を追う(運城、平遙、洛陽、当陽)
137P 【7】曹魏ゆかりの地で日中のつながりに驚く(亳州、邯鄲)
148P 【8】曹操が眠る陵で英傑の足跡と功績を仰ぐ(安陽)
160P 【9】赤壁の古戦場で現代の大戦の爪痕を知る(赤壁)
172P 【10】孔明南征の地で異民族支配の策略を読む(雲南、ラオス)
185P 【11】蜀漢が拠った大盆地で伸びしろを感じる(洛陽、成都、鶴壁)
199P 【12】孔明北伐の道を辿り日本の活路を考える(剣閣、昭化古城、蜀桟道、漢中)
215P 【13】丞相終焉の台地で日中の行方を見つめる(五丈原)
229P コラム 意外と知らない中国の素顔2
239P 第三章 三国志の周縁地を歩く――ルポ・ディープチャイナ
240P 【1】新疆ウイグル自治区
280P 【2】内モンゴル自治区
292P 【3】青海省
301P 【4】平潭島
311P 【5】開封
317P 【6】ロシア・北朝鮮国境地帯
332P 【7】核兵器・原発
343P コラム 意外と知らない中国の素顔3
349P 解説 三国志の舞台 渡邉 義浩(早稲田大学)
356P 旅のおわりに
364P 参考文献