人権/人道の光芒 国際法の批判的理路
出版社: 信山社出版
- 人権法・人道法・難民法の動態と今日的意義。他者からの呼びかけへの応答という営みを通じ、国際法に内在する解放可能性を射し展く。
- 人権法・人道法・難民法の動態と今日的意義。他者からの呼びかけへの応答という営みを通じ、国際法に内在する解放可能性を射し展く。
- ◆人権法・人道法・難民法の動態と今日的意義◆
〈他者からの声/呼びかけ〉への応答という営みを通じて、国際法に内在する解放可能性を射し展く。第一人者による、実務家・研究者必読の書。【第Ⅰ部 人権の領野/第Ⅱ部 人道のポリティクス/第Ⅲ部 国境の扉,庇護の門】 - 『人権/人道の光芒―国際法の批判的理路』
阿部浩己(明治学院大学国際学部教授) 著
【目 次】
・はしがき
◇第Ⅰ部 人権の領野◇
◆1 国際人権法の方法論
Ⅰ 〈絶対善〉の磁場
Ⅱ 学際性の相貌
Ⅲ 国際人権法へのアプローチ
Ⅳ 人権をめぐる4つの学派
Ⅴ 人権終焉の時?
◆2 人権/国際法の系譜学―脱植民地化の視座
Ⅰ 線型進歩史観
Ⅱ 再文脈化
Ⅲ 植民地的起源をたどる
Ⅳ 世界秩序の中で
◆3 個人通報手続の誕生―脱植民地化のダイナミックス
Ⅰ 人間存在の至高性
Ⅱ 自己否定のポリティクス
Ⅲ 個人通報の普遍化
Ⅳ 希望の砦のアイロニー
◆4 強制失踪なき世界へ―国際人権運動の光芒
Ⅰ 五月広場というところ
Ⅱ 国際人権機関のダイナミックス
Ⅲ 条約化への胎動
Ⅳ 強制失踪条約の誕生
Ⅴ 強制失踪なき世界へ
◆5 極度の不平等と国際人権法
Ⅰ 「ポスト人権」の時代?
Ⅱ 平等主義の理念
Ⅲ 貧困削減のレトリック
Ⅳ 不平等との並走
Ⅴ 持続可能な誓い
◆6 国際人権法によるヘイトスピーチの規制
Ⅰ グローバルな規範的潮流
Ⅱ 規制の必要と態様
Ⅲ 憎悪の唱道を禁止する
Ⅳ 国際スタンダードとの接続
◆7 人権の国際的保障が変える沖縄
Ⅰ 沖縄にとっての国際法
Ⅱ 「琉球処分」―不正の起点
Ⅲ 軍事占領から軍事的植民地へ
Ⅳ 自己決定権の規範構造
Ⅴ 国際人権機関の眼差し
Ⅵ 「沖縄からの自立」のとき
◇第Ⅱ部 人道のポリティクス◇
◆8 戦場なき戦争法の時代
Ⅰ 序
Ⅱ 戦場の構築
Ⅲ 戦場の変容
Ⅳ 戦場の剝落
Ⅴ 法の変容/法律家の責任
◆9 核兵器禁止条約と国際司法裁判所
Ⅰ 核兵器禁止条約の誕生
Ⅱ 国際司法裁判所における核兵器
Ⅲ マーシャルの誓い
Ⅳ 「紛争は存在せず」―埋め込まれた歪み
Ⅴ 原暴力を超える
◆10 サンフランシスコ平和条約と司法にアクセスする権利―重慶大爆撃訴訟に寄せて
Ⅰ 序
Ⅱ 「サンフランシスコ平和条約の枠組み」に関する国際法的評価
Ⅲ 司法にアクセスする権利の保障
Ⅳ 争いうる民事上の権利義務
Ⅴ 権利制限の合理性審査
Ⅵ 結 語
◆11 国際法における性奴隷制と「慰安婦」制度
Ⅰ 国際社会の言説状況
Ⅱ 国際法における奴隷制禁止の展開・概観
Ⅲ 奴隷制の要件
Ⅳ 性奴隷制としての「慰安婦」制度
◆12 徴用工問題と国際法―時を超える正義の視点
Ⅰ 大法院判決と「解決策」
Ⅱ 変容する規範環境
Ⅲ 過去への介入を阻む壁
Ⅳ 時際法の壁を超える―脱植民地主義の理路①
Ⅴ 時効の壁を超える―脱植民地主義の理路②
Ⅵ 発展的解釈と救済の多元化―脱植民地主義の理路③・④
Ⅶ 責任のありか
◇第Ⅲ部 国境の扉,庇護の門◇
◆13 グローバル化する国境管理
Ⅰ グローバル化と人権/国家主権
Ⅱ 国境管理権限の生成と拡充
Ⅲ 国際人権法と国境管理の交錯
Ⅳ 人道主義の陥穽
◆14 人権救済の逆説―欧州人権裁判所における国境管理の位相
Ⅰ 〈国家ファースト〉のメンタリティ
Ⅱ 「確立した国際法」という障壁
Ⅲ 退去強制/国外追放の正統化
Ⅳ 国境管理への歴史的視座
◆15 庇護の域外化―グローバルノースの抑止策
Ⅰ 序
Ⅱ 英国の実景
Ⅲ 庇護の抑止/域外化
Ⅳ 脱植民地主義の視座
◆16 難民認定の現代的位相―「難民認定制度の運用の見直し」に寄せて
Ⅰ 序
Ⅱ 基本認識
Ⅲ 「新しい形態の迫害」について
Ⅳ 「明らかに難民認定又は難民不認定とすべき判断要素」について
◆17 難民認定における「国内保護可能性(IPA)」
Ⅰ 序
Ⅱ IPA概念の展開
Ⅲ Alternativeの意味するもの
Ⅳ 保護の基準
Ⅴ 補完的保護―出身国情報の重要性と陥穽
◆18 人権法としての難民法―膚接と断層
Ⅰ 原理的基盤
Ⅱ 人権法との連接
Ⅲ 保護の拡張
Ⅳ レゾン・デートルへの問いかけ
・事項・人名索引