高齢社会と医事法
出版社: 信山社出版
- 高齢社会の射程と法的課題を総合的に検討 ― 法律と医療に携わる第一線の執筆陣が国内外の動向を精緻に検討する。
- 高齢社会の射程と法的課題を総合的に検討 ― 法律と医療に携わる第一線の執筆陣が国内外の動向を精緻に検討する。
- ◆重要テーマである〈高齢社会〉の射程と法的課題を総合的に検討 ― 第一線の執筆陣が、国内外の状況を広範に考察した、法律、医学関係者必読の書◆
高齢化が著しく進んだ21世紀の日本社会で、とりわけ医療・介護の分野で様々な医事法上の諸問題が生起している。その問題領域は多岐にわたるが、本書では、重要問題の抽出と解決に向けた方向性を探るべく、法学のみならず、医師の臨床現場からの論稿や、医療経済の観点からの論稿も掲載し、幅広く時代の要請に応える。 - 『高齢社会と医事法(医事法講座 第14巻)』
甲斐克則(早稲田大学大学院法務研究科教授)編
【目次】
〈巻頭言〉『医事法講座 第14巻 高齢社会と医事法』の企画趣旨/甲斐克則
◆1 高齢社会と医事法の関わり/甲斐克則
Ⅰ 序
Ⅱ 高齢社会と法制度論
Ⅲ 各論的課題
Ⅳ 結語
◆2 臨床現場からみた高齢者医療をめぐる問題の現状と課題/箕岡真子
Ⅰ 高齢者医療における倫理的論点
Ⅱ 認知症ケアの倫理
Ⅲ 摂食嚥下障害の倫理
Ⅳ 終末期医療の倫理
Ⅴ DNAR の倫理
Ⅵ 臨床現場におけるさまざまな倫理的問題を解決するために
Ⅶ ACP アドバンスケアプラニング
Ⅷ 高齢者の「自律」の概念を再考する
◆3 高齢社会と医療経済/中部貴央
Ⅰ はじめに
Ⅱ 医療経済学とは
Ⅲ 医療経済評価と政策のかかわり
Ⅳ 介護におけるインフォーマルケアの可視化
Ⅴ おわりに― 高齢社会における医療・介護と医療経済,そして医事法とのかかわり
◆4 成年後見制度と医事法/神野礼斉
Ⅰ はじめに
Ⅱ 医療行為と成年後見
Ⅲ 非自発的入院と成年後見
Ⅳ 身体的拘束と成年後見
Ⅴ 結びに代えて
◆5 高齢者医療における同意能力をめぐる医事法上の問題/石田 瞳
Ⅰ はじめに
Ⅱ 医療同意能力の定義
Ⅲ 成人患者の同意能力に関する判例と学説
Ⅳ 高齢者の同意能力の評価方法
Ⅴ おわりに
◆6 高齢社会における在宅医療・訪問看護・介護の法的・倫理的課題/和泉澤千恵
Ⅰ はじめに
Ⅱ 在宅医療と訪問看護
Ⅲ 今後の高齢社会における医療・介護の課題
Ⅳ 結びにかえて
◆7 高齢者医療・介護と医療事故・介護事故/小島崇宏
Ⅰ はじめに
Ⅱ 高齢者の転倒・転落事故
Ⅲ 高齢者の誤嚥事故
Ⅳ その他の類型
Ⅴ 医療事故・介護事故で高齢者が死亡した場合の慰謝料について
Ⅵ まとめ
◆8 高齢者の終末期医療と医事法/新谷一朗
Ⅰ はじめに
Ⅱ 日本における治療中止に関する学説
Ⅲ 裁判例の展開
Ⅳ 各種ガイドライン等の検討
Ⅴ 高齢者の終末期医療と人工的水分・栄養補給法(AHN)について
Ⅵ おわりに
◆9 高齢社会における医療供給体制/佐藤雄一郎
Ⅰ はじめに
Ⅱ 介護および福祉との連携
Ⅲ 医療法の概説
Ⅳ 高齢者医療をめぐる社会保障制度
Ⅴ 高齢者医療制度の実際
Ⅵ 指摘されてきた課題に「かかりつけ医機能報告制度」は対応できるのか
Ⅶ まとめに代えて
◆10 イギリスにおける高齢者医療の法的問題の現状と課題―高齢患者の最善の利益の保障への取り組み/柳井圭子
Ⅰ はじめに
Ⅱ 病院から地域へのシームレスな移行と法
Ⅲ 意思能力法による脆弱な高齢者の権利保障
Ⅳ 高齢患者の最善の利益に適う医療・ケア
Ⅴ まとめにかえて
◆11 フランスにおける高齢者医療の現状と課題―意思決定のあり方に関する一考察/小林真紀
Ⅰ はじめに
Ⅱ 法的保護下にある高齢者の意思決定支援
Ⅲ 医療の現場における高齢者の意思推定
Ⅳ 終末期に固有な問題(事前指示書の拘束力)
Ⅴ おわりに
◆12 アメリカにおける高齢者医療の法的問題の現状と課題/宮下 毅
Ⅰ はじめに
Ⅱ 終末期医療
Ⅲ 後見制度
Ⅳ おわりに
◆13 ドイツにおける高齢者医療の法的問題の現状と課題―世話制度を用いた医療上の自己決定支援/村山淳子
Ⅰ 問題意識と目的
Ⅱ 世話法における成年障害者に対する自己決定の支援と補完
Ⅲ 医療同意取得システムとの整合性
Ⅳ 倫理的・社会的課題に対する法的応答
Ⅴ ドイツ法の特徴と課題