住む権利とマイノリティ

住む権利とマイノリティ

出版社: 青弓社
著者: 青弓社編集部
  • 執筆者:金井 聡/杉野衣代/大澤優真/志村敬親/岡部 茜/植野ルナ/永井悠大/龔軼群
    都市部でのマンション価格や家賃の高騰が報じられる一方、部屋を借りることが難しい人たちの存在が可視化され、住まいをめぐる格差の問題は近年ますます注目を集めている。2020年に新型コロナウイルス感染症が感染拡大した際には、ホームレスやネットカフェ難民の問題など、住まいの格差が顕在化した。
    現在の日本では、住む権利/住まいの権利が全員に保障されているとはいいがたい。入居を断られる、シェルターに入れない、入ったとしても環境が悪く落ち着いて暮らせない。「住宅弱者」「住宅確保要配慮者」などの言葉が広まり、住宅を確保するための法整備が進んできているが、安定した住まいから排除され不安定な生活を余儀なくされる人たちも存在している。
    本書は、DV被害者や外国籍者ほかマイノリティに焦点を当て、住まいをめぐる現況と課題を詳述する。さらに、ホームレス支援に取り組むNPOと、住まい探しの状況改善に取り組む企業が、それぞれの視点から改善策を提示する。最も身近な「住まい」の問題を多角的に捉え、住まいの権利をマイノリティの視点から照射する。
  • はじめに  青弓社編集部
    第1章 セクシュアルマイノリティの生活困窮と居住支援――LGBTハウジングファースト実践の考察を通して  金井 聡
     1 LGBTハウジングファースト・東京の活動
     2 シェルターを利用した人たちのそれぞれの経緯
     3 セキュアベースとしての住まい
     4 つながりを編み直す
    第2章 DV被害女性への居住支援  杉野衣代
     1 DV被害者の現状
     2 DV被害者への居住支援の現状と課題
     3 母子世帯向けシェアハウスでの居住支援実践
     4 母子世帯向けシェアハウスでの居住支援実践から考える
    第3章 困窮する外国籍者と住まい――「生きていけない」難民認定申請者・仮放免者居住支援の現場から  大澤優真
     1 路上生活をする入国間もない難民認定申請者
     2 「生きていけない」仮放免者
     3 入国間もない難民認定申請者と仮放免者の居住支援の可能性
    第4章 精神障害がある人の居住支援――支援機関と不動産会社の協働に基づく実践事例から  志村敬親
     1 精神障害がある人の「部屋の借りづらさ」の実態とその背景
     2 支援機関職員と不動産会社社員の協働に基づく実践事例
     3 精神障害がある人の住まいの確保を促進するために
    第5章 若者の居住と離家の支援――家を離れる前と後を支える  岡部 茜
     1 若者の住まいの問題の背景にある住宅政策の問題
     2 若者への居住支援の実態
     3 「離家を支える」――家を出る前/家を出た後
    第6章 中・高年単身女性の居住問題  植野ルナ
     1 単身女性の居住問題
     2 中・高年単身女性が抱える居住の困難
     3 解決策はあるのか
    第7章 ホームレス支援における「個室シェルター」の意義――Homedoorの活動実践から  永井悠大
     1 公的なホームレス支援の現状と課題
     2 アンドセンターを活用した居住支援
     3 新たな取り組み――長期滞在が可能な個室シェルター・アンドベース
    第8章 民間のセーフティネットをつくる――FRIENDLY DOORの取り組み  龔軼群
     1 原点は憤り――FRIENDLY DOORを立ち上げるまで
     2 住宅弱者問題は社会構造のゆがみ
     3 住宅弱者問題を解決する民間の仕組みFRIENDLY DOOR
     4 民間のセーフティネットをつくる

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