ナンバー1キャバ嬢 ピカイチ介護士になる
出版社: 径書房
- 持ち前の明るさとキャバクラで学んだ気遣いで会話すら困難なお年寄りと心を通わせる日々。介護はやりがいのある素晴らしい仕事です。
- 昼夜を問わず徘徊する、会話もできず、突然、怒鳴ったり暴力をふるったり、所構わず放尿したり……。特別養護老人ホームで、そんな老人たちに寄り添い、信頼される介護士になった私。介護という仕事の素晴らしさを伝えたい。
- 「はじめまして。介護士の村上知美です。よろしくお願いします」
初めて会うご家族にそう言ってご挨拶すると、高確率で怪訝そうな顔をされます。
その顔には、「えっ、この人⁉ この人にまかせて大丈夫なの?」という不安がありありと……。
無理もありません。介護士として働き始める前、私は、いわゆる夜の仕事、キャバクラで働くキャバ嬢だったからです。
キャバクラをやめて、介護の専門学校に入学して介護福祉士となり、それからもう20年近く介護士として働いているのですが、見た目は、相変わらずちょっと派手。介護士という職業から多くの人が思い浮かべるイメージと、私はたぶん、かなり違っているのでしょう。
特別養護老人ホームで働き、これまで多くのお年寄りと関わってきました。昼夜を問わず徘徊する人、認知症で会話もままならない人、突然、暴言・暴力を浴びせる人、お皿を放り出したり、所構わず放尿したり……。それでも、その人の人生を知り、その人に合ったケアをしていけば、信頼関係が生まれ、心を通わせることができるのです。
お年寄りが人生を終えるその日まで、「自分らしく生きること」をお手伝いする介護の仕事は、やりがいだけでなく、信頼される喜びや、確かな達成感まで得られる、素晴らしい仕事なのです。