プラットフォームと社会基盤
出版社: 慶應義塾大学出版会
- デジタルプラットフォームの参入と健康・教育・労働の視点を交錯させウェルビーイングの課題を提言する。
- ・デジタルプラットフォームvs. 国家。巨獣の争いはどちらに軍配が上がるのか?
・ネットワーク空間における新たな秩序の形成を目指す研究プロジェクトの集大成。
・第4巻ではDPF が健康(医療・公衆衛生)、教育、労働に参入したことによる影響と課題を扱う。
国家に比肩しうる影響力をもちはじめたデジタルプラットフォーム。その積極的側面を最大化し、消極的側面を最小化するためにはどのような秩序形成が必要なのか。eヘルス、EdTech、ギグワークなどにみられる新しい社会システムのなかでは、健康に関する諸権利、教育を受ける権利、労働基本権の「揺らぎ」がみられる。デジタルプラットフォームの参入と健康・教育・労働の視点を交錯させウェルビーイングの課題を提言する第4巻。 - 本講座の刊行にあたって(山本龍彦)
提 言 (磯部哲、河嶋春菜、柴田洋二郎、堀口悟郎、水林翔)
第1章 社会、システムとデジタルプラットフォーム(DPF)
Ⅰ データをめぐる科学技術と社会 ―STSの観点から (鈴木舞)
Ⅱ おせっかいDPFがコントロールする健康とは―システムデザインによる新社会システムの提案 (鳥谷真佐子)
第2章 DPFは健康の擁護者たりうるか
Ⅰ デジタルヘルスプラットフォームの未来は明るいか?―オープンイノベーションとガバナンスに関する提言 (宮田俊男)
Ⅱ 医療DPFによる医療情報の保護と利活用 (飯田匡一)
Ⅲ DPFと医療広告―フランス法におけるユーザーの保護 (ギヨーム・ルセ/河嶋春菜 監訳)
Ⅳ DPF時代の医療選択―私たちは何を信じ、どのように医療を選ぶのか (磯部哲)
Ⅴ インフォデミックに挑む医プロフェッション (河嶋春菜)
第3章 AIが人間を教育する時代?
Ⅰ 教育データ利活用EdTech(エドテック)のELSI (倫理的・法的・社会的課題)論点フレームワーク (加納圭、神崎宣次、岸本充生、後藤崇志、佐藤仁、塩瀬隆之、髙橋哲、藤村祐子、堀口悟郎、水町衣里、村上正行、若林魁人)
Ⅱ 教育における人工知能 ―見出されるべき居場所 (エリック・ブリュイヤール、ジョエル・ボワッシエール/堀口悟郎 訳)
コラム アシスタントとしてのAI ―日本語版への補論 (エリック・ブリュイヤール/堀口悟郎 訳)
Ⅲ 教育プラットフォームの立憲的デザインに向けて―メカゴジラは人類の味方か?(堀口悟郎)
第4章 国家はDPFをどう統御しうるか―新たな労働と法のありかたを求めて
Ⅰ 労働を規律する法体系の歴史と未来―プラットフォームエコノミーを越えて (水林翔)
Ⅱ プラットフォーム資本主義による社会対話の逆転 (イザベル・ドガレイユ/柴田洋二郎 訳)
Ⅲ プラットフォーム就業者の保護と社会保障―フランス社会保障制度の発展過程と近年の立法政策から (柴田洋二郎)