多文化保育のエスノグラフィー

多文化保育のエスノグラフィー

出版社: 明石書店
著者: 長江 侑紀
  • 多文化コミュニティに焦点を当てた綿密なフィールド調査をもとに、具体的なエピソードや事例を通じて、文化的・言語的に多様な背景のある子どもたちのニーズに応える多文化保育の理論を実践的に検証し、さらに進化させるための新たな道筋を探る。
  •  はしがき
    序章 多文化保育を模索する
     第1節 就学前施設における外国にルーツのある子どもの増加
     第2節 文化的多様性の尊重と公正な保育実践をめぐる先行研究の検討
      2.1 多文化共生の理念と課題
      2.2 移民とエスニック・マイノリティに関する教育的課題
      2.3 多様性の包摂と保育
     第3節 リサーチクエスチョンと分析概念・枠組み
      3.1 分析概念
      3.2 本書の射程
     第4節 研究の対象と方法
      4.1 事例の保育園の概要
      4.2 事例の位置づけ
      4.3 エスノグラフィー
     第5節 本書の構成
    第1章 共生を目指す保育園の歴史的変遷―人権保障と反差別を目指す
     第1節 はじめに
     第2節 権利保障と差別撤廃を求めた川崎の市民運動
     第3節 分析対象
     第4節 保育園における保育実践の歴史的変遷―四つの時期
      4.1 設立期
      4.2 民族保育模索期
      4.3 移行期
      4.4 多文化共生保育模索期
     第5節 小括
    第2章 社会構築主義的なエスニシティ観に基づく「ルーツ」
     第1節 はじめに
     第2節 ルーツ
     第3節 分析対象
     第4節 ルーツへの意味づけとエスニシティ理解
      4.1 保育園の歴史的変遷とエスニシティ観
      4.2 社会構築主義的なエスニシティ観を表すルーツ
     第5節 ルーツを応用した実践
      5.1 ルーツによる多様性の可視化、ホーム感の創造と異文化間理解の機会保障
      5.2 マイノリティ性を踏まえたうえでの個別のニーズの把握
      5.3 ルーツを実践で応用する留意点
     第6節 小括
    第3章 名前をめぐる実践と保護者と保育者の対話
     第1節 はじめに
     第2節 本名を呼び名乗る実践の変容と対話の必要性
     第3節 分析対象
     第4節 保育園における本名を呼び名乗る実践の歴史
     第5節 現在の名前をめぐる実践
      5.1 保育園における名前をめぐる実践の概要
      5.2 名前をめぐる実践に対する保護者の意見
      5.3 保育者の態度と実践の再構築
     第6節 小括
    第4章 公正なペダゴジーとしての異年齢保育
     第1節 はじめに
     第2節 保育環境としての異年齢保育
     第3節 分析対象
     第4節 文化的多様性の尊重と公正さを目指した包摂的な保育環境
      4.1 異年齢保育がもたらす多様性の包摂
      4.2 多様な関係性のなかで促される子どもの主体的な参加
      4.3 異年齢保育を支える保育者と異年齢保育によって生まれる葛藤
     第5節 小括
    第5章 見守るアプローチを介した公正なペダゴジー
     第1節 はじめに
     第2節 日本の保育ペダゴジーの特徴としての見守るアプローチ
     第3節 分析対象
     第4節 文化的多様性のある保育現場の公正なペダゴジー
      4.1 見守るアプローチとその課題
      4.2 代弁のストラテジー
      4.3 ツク・ストラテジー
     第5節 保育ストラテジーに隠されている構造的課題
      5.1 二つの保育ストラテジーの課題
      5.2 言語発達に関する構造的課題
     第6節 小括
    終章 多文化保育を提案する
     第1節 各章の議論のまとめ
     第2節 先行研究への示唆
      2.1 草の根多文化共生の実践
      2.2 在日コリアンからニューカマー移民への知見の接続
      2.3 多文化保育を進展させるための日本の課題
     第3節 政策的示唆
     第4節 本書の課題
      4.1 子どもの視点
      4.2 国際的な文脈における日本の事例
     おわりに
     あとがき
     参考文献・資料
     索引

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