
諸外国の教育動向 2024年度版
出版社: 明石書店
- アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国、オーストラリア、トルコ等の教育事情について、教育政策・行財政、生涯学習、初等中等教育、高等教育、教師等の各ジャンル別に2024年度の主な動向をまとめた基礎資料。
- まえがき
執筆者及び執筆分担
アメリカ合衆国
1 概観
2 教育政策・行財政
2.1 2024年米国大統領一般教書演説――連邦議会に対して就学前教育の拡充やマイノリティの高等教育進学支援に対する理解と協力を引き続き要請
2.2 2025会計年度予算教書――連邦教育省予算は前年度比4%増を要求
2.3 民主、共和両党の政策綱領における教育政策――米国大統領選挙
2.4 トランプ元大統領が返り咲き、連邦議会上下両院で共和党が多数党へ――2024年大統領選挙
2.5 州知事、州議会、州教育長、及び州教育委員会に関する選挙――民主、共和の勢力関係に大きな変化はなし
2.6 トランプ大統領の就任と予想される新政権の教育政策――基本方針は教育に関する連邦の権限を州や地方、家庭に戻すこと
2.7 トランプ大統領が連邦教育省長官に移行チームの共同議長を指名――プロレス興行団体の元経営陣の顔も
2.8 トランプ政権による教育省廃止に向けた動き
3 生涯学習
3.1 州縦断調査データシステムに関する調査――諸州教育協議会(ECS)
4 初等中等教育
4.1 連邦教育省『2024年全米教育テクノロジー振興計画』を公表――「学習のユニバーサルデザイン」を提唱
4.2 オクラホマ州とケンタッキー州が公立学校における筆記体による手書きに関する指導を義務化――近年増える州法の制定
4.3 ワシントン州が2言語教育プログラム振興法を制定
4.4 連邦教育省が人工知能(AI)を利用した製品・サービス開発に関する開発者向けガイドブックを公表
4.5 トランプ大統領が教育政策に関する2つの大統領令に署名――ジェンダーや多様性を重視する取組の規制と学校選択の振興に向けて
5 高等教育
5.1 授業料免除要件を緩和する大学が増大――入学者決定におけるアファーマティブ・アクションを禁じた連邦最高裁判決の影響か
5.2 各国の経営学大学院入学希望者に支持されたのはフルタイムの2年制経営学修士(MBA)課程――経営学大学院入試実施団体(GMAC)による年次調査
5.3 高等教育法施行規則の改正規程を施行――営利私立大学における唐突な大学閉鎖による影響を未然に防ぐため
5.4 4州で州立高等教育機関におけるDEIを重視した取組を制限する州法を施行
5.5 連邦奨学金無償申請書(FAFSA)の変更――家庭内における大学在学者数を考慮した支給額決定は廃止に
5.6 メリーランド大学カレッジパーク校がAIに関する教育・研究を担当する教員40名を公募――大学間で激化するAI教育・研究の競争
6 教師
6.1 各州で教師の維持・確保に向けた州法改正を実施――給与補填措置の導入、教師免許取得のための代替ルートの創設、専用奨学金の拡充など
6.2 教師の養成・採用に関する調査結果に教師不足解消の兆候も――『Education Week』紙のまとめ
6.3 民間シンクタンクが教師不足に関する統計データを公表――適切な教師免許を有する教師が配置されていない教師のポストは教師数全体の約8分の1
イギリス
1 概観
2 教育政策・行財政
2.1 スターマー首相が就任――14年ぶりに労働党の新内閣発足
2.2 学生局及びリサーチイングランドが2024年度の補助金配分額を発表
2.3 科学に基づく的確な助言を得るため教育省が諮問委員会を設立
2.4 教育セクターにおける「デジタル革命」――世界最大のEdTechイベントに際して教育省が表明
3 生涯学習
3.1 首相と教育大臣が見習い訓練制度の全面見直しを発表
3.2 教育大臣とビジネス・貿易大臣が見習い訓練の強化に着手――政府の住宅建設政策を後押し
4 初等中等教育
4.1 教育省が長期欠席抑制に向けた新たな取組を発表
4.2 2024年GCSE(中等教育修了一般資格)試験の結果公表――前年比で上位成績に大きな変化なし
4.3 2024年GCE-Aレベル資格試験の結果公表――全体的に前年比で成績に大きな変化なし
4.4 教育水準局(Ofsted)の学校監査で総合判定を控える方針へ――教育省が発表
4.5 労働党政権が出席率向上のためのメンタリング・プログラムを強化――前保守党政権の事業を一部変更して継続する方針へ
4.6 教育省がTレベル資格の一部変更を発表――受験者増加が狙い
4.7 ハイブリッド型教育や「フレックス学習」が欠席率の改善に悪影響との指摘――Ofstedが年次調査結果を公表
4.8 就学前教育の支援拡大に政府が前年度比で20億ポンド以上を投資――改革案の一環で就学前教育に力点
4.9 教育省が芸術・体育・AI分野で若者支援
4.10 教育省がデジタル基準の整備やデジタル格差解消に向けたインフラ整備を強化
5 高等教育
5.1 2025年版世界大学ランキングの公表――QS及びTHEによる調査結果
5.2 学生局が2035年を見据えた高等教育の対応に関する調査結果を公表
5.3 労働党新政府は留学生の扶養家族へのビザ発給を制限――前保守党政権の方針を維持
5.4 2025年度より大学の授業料の上限を3.1%引上げ――教育省が発表
5.5 教育省が高等教育機関に対する「フランチャイズ」の規制強化を発表
6 教師
6.1 最高6,000ポンドのSTEM担当教師奨励金支援事業を職業教育関連科目にも拡大――教育省による教師の採用と定着の強化策
6.2 新政権の教育大臣が6,500人の教師を新規募集――人員確保と定着に向けた取組に着手
6.3 AIが教師をサポート――政府が開発業者16社に計100万ポンドを投資
フランス
1 概観
2 教育政策・行財政
2.1 バルニエ新内閣が発足――国民教育・青少年省は国民教育省に
2.2 バイルー新内閣が発足――教育担当省は国民教育・高等教育・研究省に
2.3 高等教育担当省、障害のある学生の権利に関する通達を読みやすくわかりやすい形式に翻訳
2.4 国の2025年度教育及び研究予算が成立
3 生涯学習
3.1 「新規に来仏した外国人の統合のための一週間」が開催
3.2 国際成人力調査(PIAAC 2023)の結果公表――前回調査からスキルレベルは安定しているが格差は顕著に
4 初等中等教育
4.1 国民教育・青少年省、2024年度の教育方針を示す通達を発表
4.2 ジュヌテ国民教育大臣、2024年度以降の教育改革方針を発表
4.3 リセ第1学年で必修の職業観察実習が開始
4.4 ボルヌ国民教育・高等教育・研究大臣、教育における人工知能(AI)に関する施策を発表
4.5 国民教育・青少年省、学校におけるセキュリティ強化計画を策定
4.6 学校における携帯電話等の禁止に向けた取組を実験的に開始
4.7 国民教育・青少年省、学校におけるいじめに関する調査の結果を公表
4.8 いじめ防止を啓発するためのコンクール授賞式が開催
4.9 国民教育・青少年省、中等教育段階における正当な理由のない欠席等に関する統計を公表
4.10 国際数学・理科教育動向調査(TIMSS 2023)の結果公表――数学、理科ともに得点に前回からの有意差はなく安定
4.11 2024年のバカロレア試験の結果公表――普通バカロレア及び技術バカロレアの「専門科目」の実施時期が6月に変更
5 高等教育
5.1 エゼル高等教育・研究大臣、高等教育・研究における基本方針を発表
5.2 企業及び社会における博士の評価に関する報告書の提出
6 教師
6.1 マクロン大統領、教師養成制度の見直し案を発表 140
ドイツ
1 概観
2 教育政策・行財政
2.1 教育的貧困が顕著な学校への大規模な投資プログラム「スタートチャンス・プログラム」が正式に始動
2.2 ドイツの教育の現状と課題に関する報告書『ドイツの教育』の2024年版が公表――重点テーマは職業教育
2.3 連邦奨学金の支給額と受給者数が微増――継続的な改革が効果
2.4 オズデミル連邦食糧農業大臣が連邦教育研究大臣を兼務――自由民主党(FDP)との連立解消を受けて
2.5 「学校デジタル協定」の継続に連邦政府と各州政府がようやく合意も先行きは不透明
2.6 2025年連邦議会選挙の第1党キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と主要政党の教育政策方針
3 生涯学習
3.1 シュタルク=ヴァッツィンガー連邦教育研究大臣、移民熟練労働者の受入れ拡大に向けた5つの取組を提案――職業資格認定機関の整理統合など
4 初等中等教育
4.1 第8学年のデジタル能力は国際平均を上回るも、大幅な低下傾向――IEA「国際コンピュータ・情報リテラシー調査」2023年調査(ICILS 2023)
4.2 第4学年児童の算数と理科の成績は中庸――国際数学・理科教育動向調査の2023年調査(TIMSS 2023)
4.3 各州文部大臣会議(KMK)、学校教育における人工知能(AI)の取扱いに関する勧告を採択
4.4 各州文部大臣会議(KMK)、スマートフォン等の携帯端末の学校における利用について議論
4.5 バイエルン州の就学前の言語テスト、2026年度以降の基礎学校入学者全員を対象に義務化――移民・避難民の大量流入、読解力の低下を背景に
4.6 ベルリン市、児童・生徒の学校の遅刻問題に厳格対応――頻繁な遅刻は不登校や学校不適応の予兆
4.7 ブランデンブルク州で無断欠席者が増加
5 高等教育
5.1 連邦奨学金に関する修正法案を連邦議会が可決――基本支給額等が引上げ
5.2 ドイツ学術交流会(DAAD)、奨学金を含む13種類の資金提供プログラムを廃止――年間2,500件分の奨学金枠が削減へ
5.3 各州文部大臣会議(KMK)、新たな大学国際化戦略(2024~2034年)を採択――10年ぶりの新戦略
5.4 各州文部大臣会議(KMK)の学術担当大臣会議、学術、研究、高等教育における連邦と各州共同の「人工知能(AI)攻勢」を求める
6 教師
6.1 各州文部大臣会議(KMK)、新たな教師資格と教師養成ルートについて各州共通枠組みを決定
中国
1 概観
2 教育政策・行財政
2.1 政府が2035年までの教育中長期計画を公表
2.2 政府が包括的な少子化対策を公表――学校外教育費の抑制や奨学金の拡充などの教育関連施策も
2.3 「中華人民共和国学位法」の制定
2.4 「中華人民共和国就学前教育法」の成立
2.5 「改正国防教育法」の成立
2.6 中長期的な政治・経済の方針を示す三中全会で、教育、科学技術、人材育成が現代化の基礎と公表
2.7 2023年度の全国の教育支出総額は前年比5.3%増の6兆4,595億元
3 生涯学習
3.1 教育部等が学校・家庭・社会の3者による子供の育成連合体を形成するプランを公表
3.2 政府が「科学技術普及法」を改正――各種社会教育施設を利用した科学技術知識の普及に向けて
3.3 民間の教育訓練機関の放課後活動への参入拡大も継続的な経営は困難
3.4 教育を目的の1つとする旅行業への民間企業の参入拡大
3.5 子供の習い事を主体とした民間の教育訓練機関が活況
3.6 高齢者の趣味と教養に対応した私立高齢者大学の増加
4 初等中等教育
4.1 教育部が「児童・生徒学籍管理規則」を12年ぶりに改正
4.2 上海市普陀区教育局が上海市における義務教育カリキュラムの実施に関する規則を区内に通知
4.3 学校管理職等による学校給食の不正が多発
4.4 北京市が初等中等教育機関全体で9月の新学年度からAIに関する学習を開始
5 高等教育
5.1 2024年の全国統一入学試験――前年より51万人多い1,342万人が受験
5.2 学部レベルの教育を提供する高等職業教育機関の拡大
5.3 4年目を向かえた「強基計画」――基礎研究分野人材育成プロジェクトの進捗
5.4 多数の大学が専門職学位に結び付く修士課程の年限を延長
5.5 政府は高等教育段階の奨学金受給定員を例年の2倍に設定
5.6 主要大学で学部レベルの専門分野の再編が大規模に進行中
5.7 『国家安全教育大学生読本』の公表
6 教師
6.1 国が支援する「2つの一流」大学で優秀な初等中等学校の教師を育成するプロジェクトの第2次実施校13校を公表
6.2 「双減」政策以降の教師の業務負担について
韓国
1 概観
2 教育政策・行財政
2.1 教育省、2024年度主要政策推進計画を発表――幼保一元化の実現や高等教育改革の推進が盛り込まれる
2.2 2024年度教育省予算が確定――高等教育予算を増額
2.3 教育省、幼保一元化推進ロードマップを発表
2.4 教育省に乳幼児政策局を新設――政府組織法の施行を受け教育省組織を編成
2.5 尹大統領による戒厳令の宣布及び弾劾訴追案の可決により国会が混乱――教育関連法案の検討も全面ストップ
3 生涯学習
3.1 多様な文化的背景を持つ家族に対する2024年度支援計画を発表
3.2 資格・訓練・学習歴などを確認できる「職能バンク」を強化
3.3 教育省、2025年から韓国語能力試験の受験機会を大幅増加
4 初等中等教育
4.1 国民が考える教育課題は、「過度な学閥主義」「学校外教育費負担」
4.2 教育省、デジタル教育推進のためのインフラ改善計画を発表
4.3 教育省、全国学習到達度調査の結果を発表――中学校英語の学習到達度が上昇
4.4 教育省、PISA2022「創造的思考力」調査の結果を発表
4.5 教育省、児童・生徒の学校暴力実態調査の結果を公表――学校暴力は増加傾向
4.6 教育省、学校のデジタル化をサポートするデジタルチューターの養成計画を発表
4.7 外国にルーツがある子供の急増が明るみに――教育支援の法整備が進む
4.8 IEA国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果を公表――前回と同様に上位を維持
4.9 初等中等進路教育現状調査の結果を発表――教師の人気は変わらず
4.10 教育省、学校暴力ゼロセンターの運営状況を報告
4.11 デジタル教科書の位置付けについて、「教科書」と「教育資料」で揺れる――野党の反発強く
4.12 学校・教育庁・地域が連携した児童・生徒支援体制を構築する「児童・生徒に合わせた総合支援法」が成立
5 高等教育
5.1 教育省、留学生受入れ体制の質保証のため「教育国際化力量認証」結果を発表――40校が留学ビザ発給制限
5.2 教育省、大学の閉校に伴う特別編入を実施――江原観光大学の自主閉校を受けて
5.3 教育省、高等教育の大型助成事業「グローカル大学30」の選定結果を発表――10大学には各校5年間で1,000億ウォンを支援
5.4 中央日報社『国内大学評価2024』の発表――有力大学の首都圏一極集中化は変わらず
5.5 教育省、2024年度教育国際力量認証評価の実施計画を発表
5.6 基礎研究の活性化を目的とする大学財政支援事業の新規選定結果を発表
6 教師
6.1 教育省、デジタル教育をけん引するリーダー教師研修計画を発表
6.2 教育省、少子化を見据え教育大学の入学定員を削減へ
6.3 教育省、業務のデジタル化等を通した教師の業務負担軽減計画を発表
6.4 教育省、教師養成課程の改善モデルの開発を支援――教師養成課程改善大学支援事業の選定結果を発表
6.5 教育省、既存の教師評価制度を改善し教師の自己主導性を重視する力量開発支援制度を発表
その他の国々
1 オーストラリア
1.1 教育省が今後30年間の高等教育改革についての方針を公表――「オーストラリア大学間協定」
2 トルコ
2.1 2025年THE世界大学ランキングのトップ1,000に12大学がランクイン
2.2 2024年の高等教育入学者選抜試験で電子機器を用いた不正が発生
資料
〈資料1〉大統領令「初等中等教育機関における過激な教化に終止符を打つ」(仮訳)〈アメリカ〉
〈資料2〉大統領令「家族のための教育の自由と機会の拡大」(仮訳)〈アメリカ〉
〈資料3〉「中華人民共和国学位法」(仮訳)〈中国〉
〈資料4〉「中華人民共和国就学前教育法」(仮訳)〈中国〉
〈資料5〉「児童・生徒に合わせた総合支援法」(仮訳)〈韓国〉
付録
〈付録1〉アメリカ合衆国の学校系統図
〈付録2〉イギリスの学校系統図
〈付録3〉フランスの学校系統図
〈付録4〉ドイツの学校系統図
〈付録5〉中国の学校系統図
〈付録6〉韓国の学校系統図
〈付録7〉日本の学校系統図
