財産法学の現在と未来
出版社: 有斐閣
- 民法学においても在り方が問われるとともに将来を見据えた研究が求められている。改正の時代を潮見佳男教授とともに歩んだ研究者に…
- 価値観が加速度的に多様化する現代。民法は債権法改正を経たが未だ改正が続く。民法学においてもその在り方が問われるとともに将来を見据えた研究が求められている。改正の時代を潮見佳男教授とともに歩んだ研究者による珠玉の論文集。
- 〈総論・総則〉
「民法の抽象性」再論【髙橋 眞】
お雇い外国人フォンタネージの民事紛争──債権法が立ちあがるとき【大村敦志】
韓国における民法典の性格論争【鄭 鐘休】
再読──『民法(債権関係)改正法の概要』【山野目章夫】
国際物品売買条約(CISG)を中心軸とする比較法の手法──Post CISGに向けた新しい機能的比較法としての一試案【山田到史子】
市場競争の中における民法と知的財産法【辰巳直彦】
定型約款と錯誤【武田直大】
無償受益者の利得返還義務【磯村 保】
オプション権の時効の起算点について【金山直樹】
〈物 権〉
財・所有・物的地位──レミィ・リブシャベール「財の法の再法典化」論文とその後【横山美夏】
集合動産・集合債権譲渡担保の法的規律に関する検討課題──要綱案たたき台を参考にして【和田勝行】
〈債権総論〉
履行不能の判断基準と売主の帰責事由──阪大時代の潮見先生と私【田中宏治】
詐害行為取消権の再構成──この権利の目的を再定義する【高須順一】
民法460条3号の削除【道垣内弘人】
債権の準共有と共同債権に関する序論的考察【坂口 甲】
債権者の追加【中田裕康】
「債権に内在的な抗弁」の法的意義について【森田宏樹】
〈契 約〉
コロナ危機と契約法の反応──日独比較の視点を交えて【山本 豊】
契約交渉の破棄による損害賠償責任の成否に関する判断基準──判例の分析を手がかりとして【山本敬三】
契約交渉破棄事例における説明義務違反と意思決定の自由の保護【吉内佑実】
継続的な契約関係の分析視角──流通に関する契約とその解消に即して【𠮷政知広】
遺贈に関する規定の死因贈与への準用について・総論【沖野眞已】
契約不適合責任における救済手段の経済的合理性【山本顯治】
追完の機会をめぐって【藤田寿夫】
フランス民法における他人物の法的処理【下村信江】
DCFRにおける賃貸人の義務および賃借人の救済システム【橋口祐介】
解雇権濫用法理と民法627条──「民法と労働法」の基礎理論のために【森田 修】
民法改正後における瑕疵ある組合(事実上の組合)の法理【後藤元伸】
デジタル化の進展に伴う金融規制の在り方──リスクベース・アプローチによる規制と顧客情報の利活用のためのルールに着目して【千葉惠美子】
〈法定債権関係〉
対価免責(discharge for value)の法理について──アメリカ法における金銭騙取紛争の扱い【平田健治】
過失責任と無過失責任・使用者責任の経済分析【西内康人】
AIと不法行為責任(序説)【大塚 直】
使用者責任における求償関係【渡邊 力】
幇助による責任【橋本佳幸】
医療における協働関係の責任構造──チーム医療の推進動向を念頭におきつつ【中原太郎】
共同不法行為の責任根拠と「集団的帰責」【米村滋人】
「集団責任」の理論構築に向けて──ドイツ法を素材とした序論的考察【長野史寛】
求償関係における製造物責任【内田 貴】
医療施設・介護施設内における転倒事故の救済をめぐる課題【手嶋 豊】
因果関係の認定に困難を伴う医療訴訟の審理・判断のあり方【塩野隆史】
強制動員問題に関する近時の韓国での議論(肩代わり案)について──不法行為法学(補償法学)の側からの考察【吉田邦彦】
旧優生保護法訴訟における「除斥期間」適用制限論の検討──民法解釈方法論の視点から【吉村良一】
覚書:親権者の民法714条1項に基づく責任,特に同項ただし書前段の監督義務の検討に向けて【益澤 彩】