日本政治、再建の条件

日本政治、再建の条件

出版社: 筑摩書房
著者: 山口 二郎、中北 浩爾
  • 混迷する日本政治。九〇年代の政治改革から今日までの変容を、右派ポピュリスト政党など五つの視点から検証し、再建の条件を探る!
  • 混迷を深める日本政治。九〇年代の政治改革から今日に至るまでの変容を、右派ポピュリスト政党、ジェンダー平等など五つの視点から検証。再建の条件を探究する。
  • 歴史的転換点にあって、「この先の日本政治」を考えたい人のための必読論集!
    機能不全に陥った日本政治。いまや自公は少数与党となり、一方で野党はまとまることができず、右派ポピュリスト政党が存在感を増している。こうしたなかで、わが国の政治を立て直すには何が必要か。「平成の政治改革」から現在まで、野党再編、政権構想、選挙制度改革、ジェンダー平等、西欧の右派ポピュリスト政党、二〇二五年参院選など複数の視点から検証。現在地を浮かび上がらせるとともに、来るべき日本政治を展望した、必読の論集!
  • はじめに(山口二郎)
    第一章 日本政治の失われた三〇年と野党の蹉跌――なぜオルタナティブは生まれなかったか(山口二郎)
    はじめに
    第1節 政治改革と政党再編の出発期――一九九〇年代
    1 生活者というシンボル
    2 発足直後の民主党の政策的方向性
    3 政権への挑戦と政策的対立軸
    第2節 小泉改革と民主党
    1 小泉改革は日本をどう変えたか
    2 民主党の政策的迷走
    第3節 政権交代に向けた政権構想
    1 岡田時代の政権構想
    2 小沢一郎と「生活第一」路線の展開
    3 政権交代と政策転換
    第4節 アベノミクスの帰結と政治の混迷
    1 二〇一〇年代後半以降の日本
    2 野党の危機
    3 多様な対立言説と政策的オルタナティブの困難
    第二章 平成の政治改革と「二党制の神話」――なぜ小選挙区比例代表並立制は機能しなかったのか (中北浩爾)
    はじめに
    第1節 自公と非自民の非対称性
    1 非自民連立政権から新進党へ
    2  自社さ政権と民主党の結成
    3 自公政権の成立
    4 自公政権の安定化
    第2節 民主党政権の成立と挫折
    1  民主党の成長と民由合併
    2 小沢民主党と選挙協力
    3 民主党政権の成立
    4 失敗した民主党政権
    第3節 「第三極」の台頭と希望の党騒動
    1  自公政権の復活と「第三極」
    2  「第三極」の再編と民進党の結成
    3 野党共闘の始まり
    4 「希望の党」騒動
    第4節 立憲民主党と選挙協力の困難
    1  野党共闘の進展
    2  失敗した立憲民主党と国民民主党の合流
    3 野党共闘の挫折
    4  維新・国民民主党との大きな距離
    おわりに
    第三章 ジェンダー政治の三〇年―― 平等で包摂的な社会に向けた成果と課題(辻由希)
    はじめに
    第1節 家族主義型福祉レジームの変化――ケア、雇用、性と家族
    1 ケアの脱家族化
    2 雇用――制度改革の成果と課題
    3 性と家族
    第2節 ジェンダーと政策過程
    1 男女共同参画推進体制
    2 国会での審議と立法
    第3節 ジェンダー政治の展望
    第四章 政党政治の危機状況――西欧の混迷から考える(古賀光生)
    はじめに
    第1節 右翼ポピュリスト政党とはどんな政党か
    1 支持拡大と既成政党の危機――一九九〇年代から現在まで
    2 右派ポピュリストの主張と言説
    3 組織的な特徴と動員戦略
    第2節 右翼ポピュリスト政党の伸長がもたらす政党政治の危機
    1 政党システムの「脱制度化」
    2 脱制度化と右翼ポピュリスト――「結果」から「原因」へ
    3 既成政党の対応――民主的正統性回復のための試み(と一部はその挫折)
    結びに代えて――日本への示唆
    終 章 二〇二五参議院選挙と政党政治の再編(山口二郎)
    はじめに
    第1節 積み残された課題
    1 自民党の危機
    2 野党の不在
    第2節 世界と日本の民主政治の劣化
    1 民主政治の世界的混乱
    2 参院選に向けた政党布置状況の変化
    第3節 二〇二五参院選に現れた変化
    1 石破政権の漂流と野党の多様化
    2 日本政治の次なる構図
    あとがき (中北浩爾)

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