アウシュヴィッツ以後、正義とは誤謬である
出版社: 東京大学出版会
- 序章 アーレント「純粋政治批判」を解読する
1章 アーレント判断論をめぐって
1.アーレント思想の受容と背景/2.判断論の成立と展開/3.「政治理論」への還元
2章 ホロコーストと社会学的想像力
1.ファシズム、大衆、社会学/2.核心としての「絶滅収容所」/3.大衆社会論からの離脱/4.社会科学と「悪の凡庸さ」/5.全体主義と「事実」の位相
3章 全体主義と道徳哲学
1.始まりの場所/2.アイヒマンの弁明/3.実践知と実践理性/4.第三帝国の定言命法/5.「行為」の公共性/6.思考放棄の先へ
4章 廃墟からの公共性
1.カント『判断力批判』の発見/2.共通感覚と伝達可能性/3.趣味判断から政治的判断へ/4.共通感覚の系譜/5.リアリティとしての共通感覚/6.純化の思考
5章 排除の政治とその始源のアポリア
1.道徳哲学の誤謬/2.真理と生命の棄却/3.創設=基礎づけの革命論/4.オートポイエティック・システムとしての政治/言論/5.複数性再考
補論 真理をめぐるコミュニケーション
1.正解のない判断論/2.美学化への抵抗/3.討議倫理による批判(理論)的継承/4.合意と真理を止揚する/5.純粋政治とは何か
終章 不正を理解すること