多層性のレッスン 絵本・幼年童話・児童文学みちしるべ
出版社: りょうゆう出版
- 児童文学評論家で子どもの本専門店ハックルベリーブックス店主・奥山恵氏による「多層性」をキーワードとしたブックガイド。
- 児童文学研究者で子どもの本専門店ハックルベリーブックス店主・奥山恵氏が「多層性」をキーワードに絵本、童話、児童文学の世界をとらえ直した評論集。多くの作品が具体的に紹介されているのでブックガイドとしても役立つ。
- 児童文学研究者で、子どもの本専門店「Huckleberry Books(ハックルベリーブックス)」店主でもある奥山恵氏が「多層性」をキーワードに絵本、幼年童話、児童文学を紹介します。日々、本屋を営みながら感じていること、考えることを背景に、多種多様な作品がバラバラではなく互いに響き合い、融合し合っている子どもの本の多層性をとおして世界の多層性までひもときます。
12のテーマにそって、具体的にたくさんの作品を紹介しているので、子どもの本のブックガイドとしても、保護者、先生、司書、読み聞かせボランティアなど多くの方の役に立つでしょう。
表紙と扉のイラストは、『コットリコトコ』『うりぼうウリタ』などの作家、おくやまゆかさんです。
【目次と各章で取り上げている主な作品】
第1章 赤ちゃん絵本というレイヤー
坂口恭平『独立国家のつくりかた』、まつおかたつひで『ぴょーん』、うしろよしあき/長谷川義史『なあんだ なんだ?』、かがくいひろし『だるまさんが』、安西水丸『がたん ごとん がたん ごとん』、とよたかずひこ『どんどこ ももんちゃん』、五味太郎『きんぎょが にげた』
第2章 子どもはなぜ恐竜絵本が好きか?
黒川みつひろ『たたかえ恐竜トリケラトプス』『恐竜トリケラトプスの大逆襲』『恐竜トリケラトプスとウミガメのしま』、佐々木正美『完 子どもへのまなざし』
第3章 「バムとケロ」シリーズ、「人気」のひみつ
島田ゆか『バムとケロのにちようび』『かばんうりのガラゴ』
第4章 絵本、本の絵、その営み
長野ヒデ子『せとうちたいこさん デパートいきタイ』、丘修三/長野ヒデ子『海をかえして!』、長野ヒデ子『ふしぎとうれしい』
第5章 コラボレートへの信頼
ジャッキー・フレンチ/さくまゆみこ/北見葉胡『ヒットラーのむすめ』、北見葉胡『タマリンとポチロー』、安房直子/北見葉胡「安房直子コレクション」、内田麟太郎/西村繁男『がたごと がたごと』、内田麟太郎/いせひでこ『はくちょう』、内田麟太郎/中村悦子『おかあさんになるってどんなこと』、内田麟太郎/味戸ケイコ『かあさんのこころ』、内田麟太郎/黒井健『だれかがぼくを―ころさないで』
第6章 小さな文字の大きな力
きたやまようこ「ゆうたくんちのいばりいぬ」シリーズ、『いぬうえくんがやってきた』、なかがわちひろ『のはらひめ』『きょうりゅうのたまご』『カッパのぬけがら』『天使のかいかた』
第7章 「帯」への違和感
中脇初枝『きみはいい子』『稲荷の家』『祈祷師の娘』『あかいくま』『女の子の昔話』
第8章 「役に立つ」問いに抗って
たかどのほうこ『へんてこもりにいこうよ』『おともださにナリマ小』、ひこ・田中『レッツとネコさん』、石井睦美『すみれちゃんは一年生』
第9章 時差という希望
魚住直子『非・バランス』『超・ハーモニー』『象のダンス』『オレンジソース』『Two Trains』『園芸少年』
第10章 一人になって考える場所
梨木香歩『僕は、そして僕たちはどう生きるか』、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』
第11章 ファンタジーの孤独
ル=グウィン『影との戦い』、朽木祥『かはたれ』
第12章 迷路の時代に
香川元太郎『時の迷路』、中山千夏/和田誠『どんなかんじかなあ』
おわりに 那須正幹作品の多層性について
『日本児童文学』、那須正幹「ズッコケ三人組」シリーズ、『ぼくらは海へ』『ねんどの神さま』『絵で読む 広島の原爆』『少年たちの戦場』
本書は『こどもの本』(日本児童図書出版協会・刊)の2012年11月号から2013年10月号に連載された「多層性のレッスン」に加筆し、電子書籍として2022年に刊行した『多層性のレッスン 絵本・幼年童話・児童文学を通して考える』をもとにしています。雑誌連載当時から注目され、紙の本でも読みたいという声にこたえてこのたび刊行しました。 - はじめに
第1章 赤ちゃん絵本というレイヤー
第2章 子どもはなぜ恐竜絵本が好きか?
第3章 「バムとケロ」シリーズ、「人気」のひみつ
第4章 絵本、本の絵、その営み
第5章 コラボレートへの信頼
第6章 小さな文字の大きな力
第7章 「帯」への違和感
第8章 「役に立つ」問いに抗って
第9章 時差という希望
第10章 一人になって考える場所
第11章 ファンタジーの孤独
第12章 迷路の時代に
おわりに 那須正幹作品の多層性について