
フランスで考えた中上健次のこと
出版社: 田畑書店
- 旧統一教会、宗教二世として生まれた著者が、中上健次の文学に見出した「社会物語学」とは何か? 新鋭の衝撃的デビュー作!
- 旧統一教会の信者たる両親のもと〈神の子〉として生まれた著者が、フランスの地で中上健次の文学に触れ、その特異な〈物語論〉に自らの出自を重ねて織り成す論考900枚──文学と社会問題を斬り結ぶ新鋭のデビュー作!
- 旧統一教会の信者たる両親のもと〈神の子〉として生まれた著者が、フランスの地で中上健次の文学に触れ、その特異な〈物語論〉に自らの出自を重ねて織り成す論考900枚──文学と社会問題を斬り結ぶ新鋭のデビュー作!
- 問題の所在をめぐって
1・1 中上健次のいう物語とは何か
1・2 中上の議論を追う上で重要なこと
1・3 中上の物語論の位置付け
1・3・1 折口信夫のいう物語とは何か
藤井貞和の議論
折口信夫のモノ概念
物語の内部構造
意味作用としての物語
折口=中上の物語概念
1・3・2 蓮實重彦のいう物語とは何か
1・3・3 アーサー・フランクのいう物語とは何か
社会物語学の理論的な枠組み
物語が「私」を形作るメカニズム
物語というトリックスターとの付きあい方
中上健次を読む
2・1 「中上健次」ができるまで(1946-1976)
2・1・1 三つの苗字と作家名
2・1・2 音の人、中上健次
2・2 前期物語論(1977-1982)
2・2・1 物語論の時代背景
路地の匿名性と固有性
新宮市における同和行政
中上にとっての部落差別
2・2・2 差別=物語を読みなおす
震える穴のアナロジー
太陽肛門を出入りするモノ
オイディプスの目にあいた穴
物語をうつす物語
2・2・3 近代=物語を読みなおす
柄谷行人や蓮實重彦との関わり
文学と部落問題
物語のブタを礼賛
日本人であることへの違和
2・2・4 小括
2・3 後期物語論(1983-1989)
2・3・1 路地=物語を読みなおす
うつほのうつろい
うつほのヴァイブレイション
2・3・2 日本=物語を読みなおす
物語の生理としてのダブルバインド
南の島のアイヤの宿命
三島由紀夫の穴から聞こえる声
炎上する日の丸に応える
2・4 余白のなかのリベラリズム(1990-1992)
2・4・1 国際的であることへの問い
──熊野とパリをベンヤミンとともに
2・4・2 人間として生きているということへの問い
2・4・3 総括
時代を巻き戻す──少し長めのエピローグ
中上健次と三島由紀夫
私の兄のこと
私の父のこと
私自身のこと
痛み分けの術
参考文献
謝 辞