悼むひと

悼むひと

出版社: 生きのびるブックス
著者: 遠藤 美幸
  • 戦場体験者は、今を生きる私たちに何を語ろうとしたのか。戦友会の「お世話係」が見た“終わらない戦争”
  • 戦場体験者は、今を生きる私たちに何を語ろうとしたのか。戦友会の「お世話係」が見た“終わらない戦争”
  • 戦場体験者の証言が浮かび上らせるのは、歴史的事実だけでない。話せないこともあれば、伝えたくても伝わらない真実もある。戦没した仲間への哀惜。「勇ましい」戦後右派への不信…。ビルマ戦研究者であり、戦友会、慰霊祭の世話係でもある著者が、20年以上にわたる聞き取りをとおしてつづった、 “痛み”と“悼み”の記録。
    「生き延びた元兵士らの言葉とともに戦没兵士の言葉も若者にこそ届けたい。(略)戦争の傷跡はあちこちに残っていて、いまだ癒えていない。私たちは『終わらない戦争』の中に生きている」(本文)
  • まえがき
    ◆第1章 九八歳の「慶應ボーイ」 
    「知らせたい人リスト」 
    十人十色の戦争体験 
    徴兵猶予停止と学徒出陣 
    軍に嫌われた!? 福澤諭吉と経済学部 
    「出陣学徒壮行会」をサボって何処へ 
    「出陣学徒壮行の地」の碑の建立 
    「戦争はいけません」 
    ◆第2章 初年兵の「ルサンチマン」 
    「ジャワは天国、ビルマは地獄、生きて帰れぬニューギニア」 
    拉孟戦とはなにか? 
    「安はやすやす祭り上げ、龍と勇がしのぎを削る」 
    初年兵の「ルサンチマン」 
    ◆第3章 永代神楽祭と「謎の研究者」 
    戦友会の代表世話人に 
    永代神楽祭とは? 
    引き継ぎ業務 
    遺族同士を繋げる「ボンドガール」 
    戦場体験を聴くということ 
    ◆第4章 戦場と母ちゃん 
    老兵からの電話 
    手渡されたノートの切れ端 
    母ちゃんのバカ 
    千人針 
    初年兵教育 
    母ちゃんを思う気持ち 
    晩年の老兵たちの言葉 
    最期の言葉は「お母さん」 
    ◆第5章 一〇一歳の遺言 
    一九四一年一二月八日「開戦」 
    コタバル敵前上陸
    シンガポール攻略 
    死んだ人にも格差 
    インパール作戦からの敗退 
    ◆第6章 ビルマ戦の記憶の継承――元日本兵の慰霊を続ける村 
    「戦友愛」と遺骨収集 
    ウエモンが見た戦場のリアル 
    慰霊に人生を捧げた中隊長 
    ウェトレット村での戦闘 
    元日本兵の慰霊を続ける村 
    ミャンマー贔屓
    ビルマは「親日的」なのか 
    ミャンマー国軍と日本 
    ◆第7章 音楽は軍需品なり――朝ドラ「エール」とビルマ戦線 
    古関裕而のもう一つの顔 
    南方「皇軍慰問団」と拉孟
    「ビルマ派遣軍の歌」 
    音楽家の戦争加担 
    「音楽は軍需品なり」 
    ◆第8章 いま、戦争が起きたらどうしますか? 
    元陸軍中尉の問いかけ 
    最後に愛が勝つ 
    「勇ましい」戦争非体験者たち 
    不戦を訴える元兵士たち 
    ◆第9章 戦没者慰霊祭に響き合う「ポリフォニー」 
    遺族間の「温度差」 
    戦死した「貴方」の無念を伝えます 
    ◆第10章 やすくにの夏 
    御明大作戦 
    一〇〇灯の御明 
    靖国参拝に訪れる「ふつうの人たち」
    みんなで参拝すれば怖くない 
    美化された「英霊」 
    元特攻兵からの手紙 
    特攻と桜│裏の真実 
    戦没者を悼む場所 
     
    ◆第11章 戦友会「女子会」――元兵士と娘たち
    元特攻兵の娘 
    戦友会に参加する娘たち 
    父の遺志を継ぐ娘 
    「父に近づかないでください」 
    戦史研究に熱心な息子たち 
    亡父と「和解」した娘 
    ◆第12章「戦場体験」を受け継ぐということ
    戦争前夜 
    平和ボケ 
    客室乗務員からビルマ戦の研究者へ
    慰霊登山と拉孟 
    ◆最終章――非当事者による「感情の歴史学」 
    手本はイギリス式オーラル・ヒストリー 
    生きた歴史に触れる
    「主婦研究者」もけっこうツライ 
    歴史事実が歴史化されるとき 
    あとがき 

人気の社会/思想/経済書籍

クレジット表示/商標について
サイトについて