京都食堂探究
出版社: 筑摩書房
- きつねうどん、しっぽく、けいらん、のっぺい、衣笠丼、町中華……唯一無二である京都の食堂文化の謎を徹底研究。文庫オリジナル。
- きつねうどん、しっぽく、けいらん、のっぺい、衣笠丼、町中華……唯一無二である京都の食堂文化の謎を徹底研究。文庫オリジナル。
「麺類・丼物」文化の美味なる世界
*「たぬき」は、京都・大阪・東京でまったく違う?
*しっぽく、のっぺい、けいらん……麺料理の謎を追う
*衣笠丼、木の葉丼、他人丼、カレー丼など独自の丼物の世界
*あんかけ! ちゃんぽん! 魅惑の町中華
*「ねぎ」の切り方は、小口切りか、斜め切りか etc.
唯一無二の食堂文化を徹底研究!
きつねうどん、しっぽく、けいらん、のっぺい、ちゃんぽん、衣笠丼、木の葉丼、カレー丼……京都の食堂は歴史の中で、「麺類・丼物」を中心にして独自の発展を遂げてきた。うどんも丼物も中華もある京都食堂の魅力とは? 食いしん坊の地理学者たちが店に足を運び、味わい、観察し、文献を渉猟して、謎多き京都食堂文化に迫る。待望の研究書が、文庫書き下ろしで、ついに登場。 - はしがき
西陣のうどん屋から/寿司、カレーライス、もち/本書のメニゥ
第1章 上方〈麺〉問答─諸説覚書
1「きつね」は「けつね」か
「このうどんはたまらねえ」/「まったり」として……/断じて、きつね/エンタツ・
アチャコの回想
2 「きつね」か「たぬき」か
「めしのお菜」/「大阪にそんなもんはない!」/「うどんですか、そばですか?」/
たぬきは一枚上手
3 「きつね」は化ける
(仮想)小林カツ代の驚き/謎の狐蕎麦
4 油揚げの魅力
油の臭み/惑いの〈麺〉問答
第2章 〈しっぽく〉の美学
1 京都のうどんには〇〇がのっています
華麗なる上おき/薄くて小さい○○
2 卓袱から〈志津ぽく〉へ
《下河原》の卓袱料理/「京坂の温飩屋」と「江戸の蕎麦屋」/江戸麺界の下剋上/異
風か異称か/「おかめ」のような
3 にゅうめんの正体
玉子焼き幻想/むかしのメニゥ/土鍋の真ん中に/「にゅうめん」は夏の味覚か
4 〈しっぽく〉鍋のミッシングリンク
「長崎ちゃんぽん」鍋の謎/「うどんのすき焼き」/ベトベトの蕎麦/〝エンタツ〟鍋
/「芳香炉」をめぐる語り/食堂の「しっぽく鍋」
第3章 なにを「とじる」か
1 謎かけ丼
丼物の名前/「親子」と「他人」/どちらをとじるか?/玉子で蓋をする
2 〈麺・丼〉問答
丼物の「都鄙問答」/しっぽくの変態
3 とじなくても美味しいんです
ねぎの切り方/食堂でお月見を
4 「あんかけ」をご存じですか?
出汁を食べる/それは玉子とじなのか?/「たぬき」にあらず/夏の涼味/のっぺいの
謎
第4章 食堂と町中華の不思議
1 どこでも 〈中華そば〉
スバといなり/かまぼこはあるやなしや
2 〈ちゃんぽん〉とりどり
丼のなかの別世界/昭和京都の「チヤンポン丼」/長崎憧憬/〈中華〉と〈和風〉
3 〈あんかけ〉の都
[龍鳳]の品書き/町中華のチャンポン麺/魅惑の白/〈けいらん〉系中華/カレー丼
の正体
4 台を替える愉しみ
「そばだいで」/うどん出汁の中華麺/「キーシマ」と「中はく」/京料理のような/
「台ぬき」のいろいろ/空飛ぶマダムの後口直し/「玉吸い」と甘味でささやかなぜい
たくを
あとがき
引用・参考文献