
闘う「不可触民」
出版社: 有志舎
- 「インド国民になる事」より人間としての尊厳と権利を求め続けた「不可触民」の闘いを描き出す。
- 非愛国的・売国奴と非難されながらも、「インド国民になる事」より人間としての尊厳と権利を求め続けた「不可触民」の闘いを描き出す。
- 「不可触民」――それはヒンドゥー教的観点から「不浄」と見なされる職業に従事し、それゆえに差別の対象となってきた人びとをいう。そして現代インドでは、公式には「不可触民」は存在しないことになっているが、実際には差別は存在し、それへの異議申し立てが行われ続けている。本書は、イギリス統治下において、そして独立運動が展開する過程においても、抑圧され周縁に追いやられた人びとが声を上げていく姿と、それをさらに抑圧し周縁に追いやろうとする人びとの相互作用、そしてナショナリズムが高揚し「インド国民」が定義されていく中でも、あえてそれに異議を唱え「非愛国的」とのレッテルを貼られながらも抵抗していく「不可触民」の行動原理を汲み上げる。
- プロローグ 「マダム、私は不可触民ではない」
第一章 イギリス統治下のカースト制再編と「不可触民」
第二章 モンファド改革と非バラモン政権の誕生
第三章 模索する「不可触民」――自尊運動との関係
第四章 生きることと誇りをもつことの狭間で
第五章 政治の場で訴える――「不可触民」とサイモン委員会
第六章 政治の場で闘う――「不可触民」とガンディー
第七章 「不可触民」包摂の試みとその影響
エピローグ 「インド国民」でもなく「タミル人」でもなく――闘いつづける「不可触民」