〈学知史〉から近現代を問い直す

〈学知史〉から近現代を問い直す

出版社: 有志舎
著者: 田中 聡、斎藤 英喜、山下 久夫、星 優也
  • 歴史学、国文学、民俗学、神話学、思想史研究などの枠組みを超え、人文学研究の閉塞状況を打ち破る方向を見通す試み。
  • 歴史学、国文学、民俗学、神話学、思想史研究などの枠組みを超え、現代という閉ざされた時代の現実と、人文学研究の閉塞状況をともに打ち破る方向を見通す試み。
  • グローバリズムが大きく展開している現代、社会には「歴史修正主義」が跋扈し、排外主義も強まるという危機的な状況となっている。そうした時代動向に抗するために、改めて近現代における多彩な学知の歴史を振り返る。本書はそれを〈学知史〉と呼ぶ。そこから何を批判的に継承し、あるいは新たな視点・方法を創り、現代社会との緊張感のなかでどのような歴史像を描いていくかが求められているだろう。本書は、そうした視点から、それを生み出した近現代そのものを問い直し、読み替えていこうとする挑戦である。
  • はじめに:〈学知史〉は何を問い、何を明らかにしていくのか        
    第Ⅰ部  大正デモクラシー期~一九四五年
     「日本ファシズム」と天皇霊・ミコトモチ論(斎藤英喜)/一九二〇年代における国体論者間の知的交流について(西田彰一)/学知としての「帝国の歴史学」(沈煕燦)/山口麻太郎の一国民俗学批判とその背景(中野洋平)/戦時下の『源氏物語』から見る国策と学問(藤巻和宏)/アジア・太平洋戦争期の山崎闇斎研究(松川雅信)
    第Ⅱ部 占領期~一九五〇年代
     尾藤正英と「民族の文化について」(三ツ松誠)/歴史学の境界を揺さぶる実践(高田雅士)/「伝統芸術の会」と民俗芸能(黛 友明)/「民衆宗教」言説と気まずい隣人たち(永岡 崇)
    第Ⅲ部 高度経済成長期~一九七〇年代
     六〇年安保と知識人(鎌倉祥太郎)/「民族」概念をめぐる学知の転換点(田中 聡)/網野善彦と桜井好朗の学知史(星 優也)/ポスト全共闘の学知としてのオカルト史研究(栗田英彦)
    第Ⅳ部 戦前~戦後を通した学知の変容と対話
     「文献学者宣長」像をめぐる国学の学知史(山下久夫)/英雄時代論にみる文学と歴史(三浦佑之)/「共同体」からの抵抗(末次 智)/「アイヌ文化期」概念の形成と展開(
    蓑島栄紀)/縄文の「発見」と神話学(平藤喜久子)

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