伝統社会の司法利用 東西比較の可能性

伝統社会の司法利用 東西比較の可能性

出版社: 大阪大学出版会
著者: 松本尚子、小林 繁子、高村 学人、陳 宛妤、マルティン・ディンゲス、寺田 浩明、中谷 惣、林 真貴子、カール・ヘルター(Karl Härter)、前田 星、スザンネ・レプシウス(Susanne Lepsius)
  • 近代的「裁判」を越えて広がる豊饒な法の世界を明らかに
    紛争当事者/司法利用者を中心に描きなおす比較法史研究
  • 「司法利用」とは、住民がさまざまな公的紛争解決手段を選択し利用する行動に着目した作業概念である。「近代的権利意識」を中心基準としない分析を可能にする概念を基に、伝統社会における多様な公的紛争解決の実態と背景の…
  • 「司法利用(Justiznutzung; Use of Justice)」とはドイツの近世史家M.ディンゲスが提唱した概念で、住民が裁判に限らずさまざまな公的紛争解決手段を選択し利用する行動に着目した作業概念である。「近代的権利意識」を中心基準としない分析を可能にするこの概念をもとに、東西の伝統社会における多様な公的紛争解決の実態とその背景を比較する。
  • はじめに
    序章 伝統社会の司法利用―利用者行動の実証的分析による東西比較の可能性
    第I部 刑事事件の司法利用
    第1章 イタリア中世都
    市における公的司法の利用と裁判外の正義―紛争当事者,地区代表,執政府の平和の試み
    第2章 請願と交渉―16・17世紀の魔女裁判をめぐるinfrajustice
    第3章 近世ヘッセンの下級刑事裁判権における紛争,逸脱行為と司法利用
    第II部 民事事件の司法利用
    第4章 債権回収から高利貸し告発へ―キリスト教社会の信用ネットワークと司法利用
    第5章 帝国最高法院における魔女―名誉棄損訴訟の利用可能性の考察
    第6章 植民地台湾における土地紛争の司法利用
    第7章 明治前期の勧解・裁判における当事者の役割―「願」と「請」の意味するもの
    第III部 司法利用から見た比較研究の可能性と課題
    第8章 概念発案者からの論点提示
    第9章 法社会学からみた司法利用研究
    第10章 司法利用とインフラジャスティス―比較研究の可能性と課題
    第11章 ヨーロッパ近世(1500-1800年)の司法利用と医療利用―類似点,相違点,展望
    おわりに

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