クビライと南の海域世界

クビライと南の海域世界

出版社: 大阪大学出版会
著者: 向 正樹
  • 陸と海に跨る「モンゴル=システム」の実像はいかなるものだったのか。「人々のネットワーク」の観点から実証的に描き出す。
  • 陸と海に跨る「モンゴル=システム」の実像はいかなるものだったのか。大元政権と海域世界との結びつきの形成過程と、大元政権が海域世界にもたらした変化に着目し、「人々のネットワーク」の観点から実証的に描き出す。
  • モンゴル帝国が覇権を築いた13、14世紀、ユーラシアを覆う巨大な交易ネットワークが出現した。陸と海に跨る「モンゴル=システム」の実像はいかなるものだったのか。大元政権と海域世界との結びつきの形成過程と、大元政権が海域世界にもたらした変化に着目し、モンゴル帝国とムスリム交易ディアスポラが織りなす「人々のネットワーク」の観点から実証的に描き出す。
  • 序章
    1 主題
    2 分析用語
    3 本書の構成
    第Ⅰ部 モンゴル゠システムまでの道のり
    第1章 北宋の天地祭祀と海商ディアスポラ
    序論
    1 中国における天地祭祀
    2 ユーラシア東方
    3 南方海域世界
    4 泰山封禅
    5 汾陰后土
    結論 文化権力についての考察
    第2章 海商ディアスポラの変貌
    序論
    1 アラブ゠ペルシア系海商による朝貢関係の再構築
    2 大食舶主蒲希密らの入貢とその経営形態
    3 宋代朝貢システムの虚構と実態
    4 朝貢にかかわる経営
    5 境界地域における外来商人の勢力伸張
    結論 ムスリム商人は駆逐されたのか?
    第3章 海の覇権交替とディアスポラ
    序論
    1 蒲寿庚の招撫使と提挙泉州市舶の実質
    2 1276 年前後の情勢と蒲寿庚の役割
    結論
    第4章 モンゴル軍団長と海商ディアスポラ
    序論
    1 初期南海諸国招諭の実行集団
    2 中央指導体制下のソガト=蒲寿庚人脈
    3 至元19 年(1282)の海外諸蛮出征とチャンパー遠征
    4 楊庭璧のインド洋遠征
    5 ソガト・蒲寿庚のその後
    結論
    第5章 モンゴル軍団長と南海貿易
    序論
    1 マングタイの入閩と海上貿易関与
    2 マングタイ「海上勢力」の軌跡
    3 元初期の福建と交差するコネクション
    結論
    第Ⅱ部 モンゴル゠システムの内と外
    第6章 モンゴル゠システムと南方海域世界
    序論
    1 元と南方海域諸国の各種往来とモンゴル的特徴
    2 南方海域諸国による使節派遣とその背景
    3 歴代カアンの対外政策およびその思想
    4 記録と外国使節
    結論
    第7章 マクロ寄生としての南海貿易収奪機構
    序論
    1 元の市舶司体制—貿易業務と塩政業務の合併—
    2 市舶司政策の変遷:至元14‒22 年(1277‒1285)
    3 市舶司体制の完成
    4 その後と海域世界からのレスポンス
    結論
    第8章 境界地域とディアスポラ
    序論
    1 モンゴルと色目人ディアスポラ
    2 福建地方志からみたムスリム官人の任官状況
    3 元の徴税機構とムスリム官人
    4 福建におけるムスリム官人
    結論
    第9章 港市とディアスポラ
    序論
    1 泉州へのムスリム移住の初期段階とその規模
    2 泉州清浄寺の修築について
    3 中国福建へのペルシア系移民の歴史的背景
    4 硬い宗教—アラビア語碑文と漢語碑文より—
    5 軟らかい宗教—泉州「重建清源純陽洞記」とその背景—
    結論
    第10 章 システムの終焉とディアスポラ
    序論
    1 泉州の平和1350 年前後—「重立清浄寺碑」より—
    2 泉州の動乱1357~1368 年—『至正近記』より—
    結論
    終章
    1 サブストレートの変遷
    2 ディアスポラと広域国家
    3 モンゴル゠シーパワー
    4 世界システム論の脱構築
    5 現在への示唆
    あとがき
    初出一覧
    文献目録
    索引

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